マツエクのカルテの項目と書き方:目元の図の記入例つき

まつげの施術台のトレーを真上から見た様子。ピンセット、長さ違いのまつげの束、目元の線画が描かれた記入用紙が並ぶ

マツエク(まつげエクステ)のカルテには、大きく分けて3種類のことを書きます。1つ目は、施術してよいかを判断するための安全の項目(かぶれた経験・目の病気や手術歴・コンタクト)です。2つ目は、デザインを決める材料になる自まつげの状態とご希望です。そして3つ目に、毎回の施術の記録(カール・太さ・長さ・本数・グルー)を残します。この記事では、Leporto が無料で配っている「まつげ・眉サロンカルテ」の用紙をもとに、項目ごとの書き方と理由を説明します。目元の図の左右を取り違えない書き方と、架空のお客様での記入例も載せました。

マツエクのカルテに書く項目の一覧

まず全体を表で見ておきます。「どこに書くか」は、無料の用紙(A4・2枚組)の場所です。1枚目は初回にお客様と一緒に書くカウンセリングシート、2枚目は来店のたびにスタッフが書く施術の記録です。

項目用紙の場所書く理由見直す時期
グルー・薬剤でかぶれた経験1枚目「注意」施術してよいか、どの材料を避けるかの判断毎回の来店時に口頭で確認
目の病気・手術歴(レーシックなど)1枚目「注意」施術してよいかの判断変化があったときに追記
コンタクト(ハード・ソフト・使わない)1枚目「目元」施術の前に外してもらうかの案内初回と変化があったとき
妊娠中・授乳中、肌が敏感になる時期1枚目「注意」体調の変化によるかぶれへの配慮毎回の来店時に口頭で確認
目の形、自まつげの太さ・量・向き1枚目「目元」エクステの太さ・長さ・カールを選ぶ前提数回ごとに見直す
まつげパーマ・エクステの経験1枚目「目元」前のお店との違い、気になった点の把握初回
クレンジング・寝る向き1枚目「目元」持ちが左右で違うときの原因探し持ちが悪いと言われたとき
仕上がりの好み・参考の写真・避けたいこと1枚目「ご希望」デザインの食い違いを防ぐ毎回
デザイン(左右・目頭・中央・目尻)2枚目の顔の図と目元の拡大図次回に同じデザインを再現する毎回
カール・太さ・長さ・本数・グルー2枚目「施術の記録」次回の施術とトラブル時の確認毎回
次回の目安(リペアの周期)2枚目「次回」と1枚目「ご案内について」次の予約の案内毎回

次の図は、上の表の項目を、書く用紙の場所ごとにまとめたものです。

マツエクのカルテの項目を用紙の場所で分けた図。1 枚目は初回にお客様と書くカウンセリングシートで、「注意」にかぶれた経験・目の病気や手術歴・妊娠中や授乳中、「目元」にコンタクト・目の形と自まつげ・経験・クレンジングと寝る向き、「ご希望」に仕上がりの好み・参考の写真・避けたいことを書く。2 枚目は来店のたびにスタッフが書く施術の記録で、顔の図と目元の拡大図にデザイン、「施術の記録」にカール・太さ・長さ・本数・グルー、「次回」にリペアの周期を書く。

項目そのものは、どのお店の用紙でも大きくは変わりません。差が出るのは、2枚目を毎回どこまで具体的に書くかです。サロン全体のカルテの役割や、ほかの業種の用紙については、サロンのカルテ テンプレート(無料・業種別6種)にまとめています。同じ顔の図を使うエステの書き方はエステのカルテの項目と書き方で、ネイルの項目はネイルサロンのカルテの項目と書き方で説明しています。

安全に関わる項目:初回に必ず聞くこと

まつげエクステは、目のすぐそばで接着剤(グルー)を使う施術です。安全に関わる項目は、空欄のまま施術を始めないようにします。

グルー・薬剤でかぶれた経験

「グルー・薬剤でかぶれた経験」の欄には、あり・なしだけでなく、いつ、どこのお店で、どんな症状が出たかを書いてもらいます。お客様が「たぶん大丈夫」と答えたときも、その言葉のまま残しておくと、あとで経緯をたどれます。まつげパーマの薬剤や、眉のワックスで赤みが出た経験も同じ扱いです。用紙では、眉のワックス・薬剤の経験は「眉」の欄に分けて聞いています。

体質は変わることがあります。2回目以降は「前回のあと、かゆみや赤みは出ませんでしたか」と口頭で確かめ、答えを施術の記録の欄に一言残します。

目の病気・手術歴とコンタクト

目の病気や手術歴(レーシックなど)は、施術してよいかの判断に関わる項目です。カルテには、お客様の答えをそのまま書きます。施術してよいかをスタッフが医学的に判断するのではなく、迷うときは医師に確かめてもらうよう案内してください。コンタクトレンズは、ハード・ソフト・使わないの3つから選んでもらいます。来店時に着けているかどうかは毎回変わるので、施術の前に声をかけて確かめます。

妊娠中・授乳中、肌が敏感になる時期

妊娠中・授乳中や、季節の変わり目などに肌が敏感になる時期があるかも聞いておきます。これらは体に関わる情報なので、聞く理由を一言添えると答えてもらいやすくなります。聞きにくい項目の聞き方と、健康の情報を扱うときの注意は、カウンセリングシートの項目例で詳しく説明しています。

自まつげの状態とデザインの項目

デザインの項目は、お客様の希望と自まつげの状態をあわせて書くのがコツです。希望だけを書くと、「なぜその長さにしたのか」が次の担当者に伝わりません。

目の形と自まつげ(太さ・量・向き)

用紙では、目の形を一重・奥二重・二重から、自まつげの太さと量を3段階から、向きを下向き・まっすぐ・上向きから選びます。自まつげが細い・少ないお客様に、太く長いエクステを付けると、自まつげに負担がかかりやすくなります。そのため、この欄はエクステの太さと長さを選ぶ前提として使います。向きが下向きなら、カールの強いものを選ぶ理由として残しておきます。

ご希望(仕上がり・参考の写真・避けたいこと)

仕上がりの好みは、ナチュラル・ぱっちり・華やか・目尻長めの4つから選んでもらいます。言葉だけでは人によって思い浮かべる形が違うので、参考の写真があればカルテに添えておくと確実です。「避けたいこと」の欄も大切です。「長すぎるのは職場で困る」「目頭が当たってチクチクした」といった過去の不満は、次回のデザインを決めるときに最初に見ます。

毎回の施術の記録:カール・太さ・長さ・本数・グルー

2枚目の「施術の記録」は、来店のたびにスタッフが書きます。用紙の列は、日付・メニュー・担当・「カール・太さ・長さ・本数/グルー」・金額・次回の6つです。

書くこと書き方の例ポイント
メニュー付け放題・リペア・オフのみ など初回か、リペアか、付け替えかがわかるように
カールC、D など呼び方は商材によって違うので、メーカー名か商品名も書く
太さ0.15 など(mm)部位で変えたときは部位ごとに
長さ目頭 9/中央 11/目尻 12 など(mm)目元の拡大図に書き、記録欄は要約でもよい
本数左右それぞれ 60 本 などリペアのときは「付け足した本数」と分かるように
グルー商品名・使い始めた日かぶれが出たときに、何を使ったかをたどれる
次回3週間後 など予約を取ったかどうかも書いておく

グルーの欄は、空けたままにしやすい欄です。ただ、かぶれやかゆみの相談が来たとき、使ったグルーが分からないと、お客様にも医療機関にも説明できません。商品を変えた日は、必ず書き残してください。

目元の拡大図の書き方:左右の向きに注意

無料の用紙の2枚目には、正面の顔の図が2つ(前回までのデザイン・今回のデザイン)と、目元の拡大図があります。マツエクのカルテで最も間違いが起きやすいのは、この図の左右です。

図は「お客様を正面から見た向き」で描かれている

目元の拡大図は、お客様を正面から見た向きで描いています。そのため、図の左側が「お客様の右目」、右側が「お客様の左目」です。用紙にも「お客様の右目(向かって左)」「お客様の左目(向かって右)」と書いてあります。

図の位置どちらの目か図の上の区切り(左から順に)
左側お客様の右目(向かって左)目尻・中央・目頭
右側お客様の左目(向かって右)目頭・中央・目尻

どちらの目でも、目頭は鼻の側、つまり図の中央寄りです。目尻は図の外側にあります。

施術の姿勢で、見えている左右が逆になる

お客様があお向けに寝て、スタッフが頭の側から施術する場合、スタッフから見て右側にあるのはお客様の右目です。正面から見た図とは左右が逆になるので、施術中の感覚のまま図に書くと取り違えが起きます。取り違えを防ぐために、次の3つを店のルールにしておくと安心です。

  1. カルテの文字では「右」「左」だけで書かず、必ず「お客様の右目」「お客様の左目」と書く
  2. 図に書き込むのは施術の後にし、正面から見た向きで書く
  3. 左右で長さや本数を変えたときは、図と記録欄の両方に書く

目頭・中央・目尻ごとに書くこと

拡大図の下には、区切りごとに「mm/カール」「本」の欄があります。長さ・カール・本数を区切りごとに書き、太さを変えた場合は数字の横に添えます。エクステの向きや、目尻だけ長くした範囲は、図に直接線で描くと伝わりやすくなります。顔の図の「前回までのデザイン」と「今回のデザイン」を並べておけば、変えた点がひと目でわかります。

記入例:架空のお客様の場合

次は、説明のために作った架空のお客様の記入例です。数字は書き方を示すためのもので、施術の基準ではありません。

1枚目(カウンセリングシート)の記入例です。

欄記入例
目の形奥二重
自まつげ太さ:細い/量:普通/向き:下向き
コンタクトソフト
まつげパーマ・エクステの経験エクステは他店で2回。目頭が当たってチクチクした
クレンジング・寝る向きオイル/右向き
グルー・薬剤でかぶれた経験なし(本人の申告)
目の病気・手術歴なし(本人の申告)
仕上がりナチュラル。避けたいこと:目頭が長いこと

2枚目(施術の記録)の記入例です。

日付メニュー担当カール・太さ・長さ・本数/グルー次回
10/18付け放題(初回)AC/0.15/目頭 8・中央 10・目尻 11/左右各 60本/グルー:商品名3週間後(予約済み)
11/8リペアA同上。お客様の右目の目尻が少なめ(寝る向きが右のため)。右目に 20本、左目に 12本を付け足し3週間後(予約済み)

このように、気づいたことをカウンセリングシートの答え(寝る向き)と結びつけて書くと、次の担当者も理由がわかります。

リペアの周期と、トラブルの記録

リペアの周期は「次回」の欄に残す

エクステは自まつげと一緒に抜けていくので、多くのお客様はリペアのために定期的に来店します。お客様ごとの周期は「次回」の欄に残し、1枚目の「次回のご来店の目安」とあわせて見ます。周期が書いてあれば、会計のときに「前回と同じ3週間後でよろしいですか」と次の予約を案内できます。会計のときの声のかけ方と、次の予約が取れた割合の数え方は、次回予約率の計算と上げ方で説明しています。

トラブルがあったときに書くこと

施術のあとに、かゆみ・赤み・痛みなどの連絡があったときは、受けた日、お客様の言葉、店としての対応をそのまま書きます。そのうえで、前回の施術の記録(使ったグルーと担当)を確かめます。症状がある場合は、店で判断せず医療機関の受診を案内してください。次の来店の前には、この記録を担当者が必ず読むようにします。紙のカルテでは見落としやすいので、目立つ印を付けておくとよいでしょう。

まつ毛パーマのカルテ:書く項目と記録の仕方

無料の用紙は「まつげ・眉サロンカルテ」なので、まつ毛パーマ(まつげパーマ)のカルテとしても使えます。1枚目はマツエクと同じです。安全の項目(薬剤でかぶれた経験・目の病気や手術歴・コンタクト)と、目の形・自まつげの太さ・量・向き、これまでのまつげパーマやエクステの経験を聞きます。「グルー・薬剤でかぶれた経験」の欄には、まつ毛パーマの薬剤で赤みやかゆみが出た経験も書いてもらいます。2回目以降は、前回のあとに目元の赤みやかゆみが出なかったかを口頭で確かめ、答えを記録欄に一言残します。

2枚目の記録欄の見出しはエクステ向け(カール・太さ・長さ・本数/グルー)です。まつ毛パーマのときは、同じ欄に次のことを書きます。

書くこと書き方の例ポイント
メニューまつ毛パーマ(上)・下まつげ など上下どちらか、両方かがわかるように
ロッド種類とサイズ目頭・中央・目尻で変えたときは、目元の拡大図の欄に分けて書く
薬剤商品名かぶれの相談が来たときに、何を使ったかをたどれる
放置時間薬剤ごとに分で書く自まつげの状態で変えたときは、その理由も
仕上がり上がり具合・左右差・お客様の感想感想は言葉のまま書く
次回次回の目安と、予約を取ったか前回の持ちの感想とあわせて

目元の拡大図の「mm/カール」の欄は、ロッドのサイズを書く欄として使えます。左右の取り違えを防ぐ書き方は、エクステと同じです(「お客様の右目」と書き、図には施術の後に書き込む)。施術のあとに赤み・かゆみなどの連絡があったときの記録の仕方も、上の「トラブルがあったときに書くこと」と同じです。

眉(アイブロウ)のカルテ:形の記録と注意

眉(アイブロウ)のメニューでは、1枚目の「眉」の欄を使います。欄にあるのは、いまの形・毛量、希望の形(ストレート・平行・アーチ・角度)、自分での整え方(毛抜き・カミソリ・していない)、ワックスや薬剤で赤みが出た経験の4つです。自分での整え方は、次回までに毛がどれくらい残っているかの見当をつける手がかりになります。ワックスや薬剤で赤みが出た経験は、マツエクのかぶれの欄と同じく、空欄のまま施術を始めないようにします。

2枚目の顔の図には、眉頭・眉山の位置の目安の点線があります。「前回までのデザイン」と「今回のデザイン」の2つの図に眉の形を描き分けると、変えた点がひと目でわかります。図はお客様を正面から見た向きなので、文字で書くときは「お客様の右眉」「お客様の左眉」と書きます。記録欄には、メニュー(ワックス・カットなど)、使ったワックスや薬剤の商品名、仕上がりとお客様の感想、次回の目安を書きます。左右で形を変えたときは、図と記録欄の両方に書いておくと、次の担当者が理由をたどれます。

マツエクは美容師が行う施術:カルテと安全の考え方

厚生労働省は、まつげエクステンションを美容師法でいう「美容」にあたるものとして扱っています。そのため、施術を行う人には美容師の免許が必要で、届け出た美容所で行う必要があると案内しています。美容師法は、厚生労働省が所管する生活衛生関係の法律の一つです。国民生活センターも、まつげエクステンションによる目やまぶたの危害について、消費者に注意を呼びかける資料を公表しています。目の近くで接着剤を使う施術なので、カルテの安全の項目は、危害を防ぐためにも、万一のときに経緯をたどるためにも欠かせません。

そのためカルテには、施術の前にかぶれた経験・目の状態・コンタクトを確かめたこと、使ったグルーと担当者、施術のあとに相談があったときの訴えと店の対応を残しておきます。これらは、お客様にとっても店にとっても、あとで経緯を確かめる手がかりになります。

ここで述べた法律と行政の扱いは、公的機関の案内をもとにした要約です。開業や従業員の資格について迷う場合は、店舗のある地域の保健所や、専門家に確かめてください。

無料のマツエク カルテ(PDF)と、電子カルテへの移し方

この記事で紹介した用紙は、無料でダウンロードできます。A4の2枚組で、印刷してそのまま使え、店内でのコピーも自由です。マツエクだけでなく、まつ毛パーマと眉(アイブロウ)のカルテとしても同じ用紙を使えます。

紙のカルテは手軽な一方で、来店の回数が増えると、前回や前々回の記録を探すのに時間がかかります。お客様が増えてきたら、電子カルテに移すことも考えてみてください。移す範囲の決め方や作業の順番は、紙のカルテを電子化する手順にまとめています。

Leporto の電子カルテでは、予約・顧客の情報とカルテを一緒に管理できます。来店前に Web でカウンセリングシート(問診)を入力してもらうこともできます。紙のカルテは、PDF などのデータにしてもらえれば取り込みの相談ができます。ただし、紙のまま預かって入力する作業は行っておらず、手書きの字が読めないものは入力できません。機能の詳しい内容は Leporto の電子カルテ をご覧ください。

参考にした公的機関の資料

いずれも2026年10月18日に参照しました。

よくある質問

Q. マツエクのカルテは、毎回お客様に書いてもらう必要がありますか?

1枚目のカウンセリングシートは、初回に書いてもらえば十分です。2回目以降は、かぶれの有無や目の状態、コンタクトなど変わりやすい項目を口頭で確かめ、変わったところだけ追記します。毎回の施術の記録(2枚目)は、スタッフが書きます。

Q. 無料のテンプレートを自分の店に合わせて変えてもいいですか?

かまいません。店名を入れたり、使っている商材に合わせて項目を足したりして使ってください。ただし、安全に関わる項目(かぶれた経験・目の病気や手術歴・コンタクト)は削らないことをおすすめします。

Q. 目元の図の左右がいつも分からなくなります。

図はお客様を正面から見た向きで描かれているので、図の左側がお客様の右目です。文字では「右」「左」だけで書かず、「お客様の右目」と書くルールにすると取り違えが減ります。施術中の姿勢では左右が逆に見えるので、図には施術の後に書き込むのがおすすめです。

Q. まつ毛パーマだけの店でも使えますか?

使えます。記録欄の「カール・太さ・長さ・本数」の代わりに、ロッドの種類とサイズ・薬剤・放置時間を書いてください。1枚目の安全の項目(薬剤でかぶれた経験・目の病気や手術歴)はそのまま使えます。今の用紙にはまつ毛パーマ専用の見出しの欄はありません。