エステのカルテの項目と書き方(顔の図の使い方・無料テンプレート)

エステの施術室のワゴンの上で、顔の輪郭だけが描かれた記入用紙にペンで印を付けている手元。横にタオルと化粧品の瓶がある

エステのカルテには、初回に「肌の状態」「健康の状態」「コース」「ご希望」の4つを聞き、来店のたびに「使った機器・化粧品と肌の変化」を書き足します。顔の施術では、気になるところを顔の図に書き込んでおくと、前回との違いがひと目でわかります。この記事では、Leporto が無料で配っているエステサロン用のカルテのテンプレート(A4・PDF・2枚組)の項目を1つずつ取り上げ、書き方を記入例つきで説明します。顔の図の使い方、施術前後の写真の同意、アレルギーや服用中の薬のような健康の情報の扱いもまとめました。

エステのカルテに書く項目の一覧

用紙の1枚目は初回にお客様と一緒に書くカウンセリングシート、2枚目は来店のたびにスタッフが書く施術の記録です。項目の全体は次のとおりです。

用紙欄書く項目主な使い道
1枚目肌の状態肌タイプ(乾燥・脂性・混合・敏感)、お悩み(しみ・しわ・たるみ・ニキビ・毛穴・くすみ・赤み・むくみ)、使っている化粧品と洗顔の回数、日焼け止めの習慣施術とホームケアの提案
1枚目健康の状態アレルギー(食べ物・化粧品・金属)、服用中の薬・通院中の病気、妊娠中・授乳中、ペースメーカー・体内の金属・最近の手術、睡眠と食生活施術できるかの確認、機器の選択
1枚目コースコース名・回数券、残り回数と有効期限、ホームケアで使っている商品残り回数の管理、行き違いの予防
1枚目ご希望目標・なりたい状態、圧の強さ、苦手な香り・避けたいこと施術の進め方
2枚目顔の図(2つ)前回までの肌の状態、今回の気になるところ部位ごとの変化の比較
2枚目施術の記録日付、メニュー、担当、使った機器・化粧品/肌の変化、金額、次回再現、引き継ぎ、効果の振り返り

次の図は、上の表の欄を、1枚目と2枚目の用紙に分けてまとめたものです。

エステのカルテの欄の図。1 枚目は初回にお客様と書くカウンセリングシートで、肌の状態、健康の状態、コース、ご希望の 4 つの欄がある。2 枚目は来店のたびにスタッフが書く施術の記録で、前回と今回の顔の図と、施術の記録の欄がある。

基本情報、ご来店のきっかけ、会話の好み、同意欄は6業種の用紙に共通です。共通の欄の意味は、記事の後半で紹介する業種別6種のカルテ テンプレートのページで説明しているので、ここではエステ独自の欄を中心に見ていきます。

1枚目:カウンセリングシートの項目と書き方

肌の状態:肌質と肌悩みを分けて書く

「肌タイプ」は、お客様が自分で思っている肌質にチェックを入れてもらいます。施術者が見た印象と違う場合は、横に「施術者の所見:Tゾーンは脂っぽい」のように書き足し、自己申告と所見を分けて残します。「お悩み」は複数にチェックしてかまいません。いちばん気になるものに丸をつけてもらうと、初回の施術の優先順位を決めやすくなります。

「使っている化粧品・洗顔の回数」には、商品名まで書いてもらうのが理想です。思い出せない方には、次回に容器の写真を見せてもらうようお願いしてもよいでしょう。施術の後のホームケアを提案するとき、いま使っている化粧品と重ならないか、合わない成分がないかを確かめる前提になります。日焼け止めの習慣も、しみやくすみの相談では欠かせない情報です。

健康の状態:施術できるかを確かめる欄

この欄は、施術を始める前に必ず読み返す欄です。アレルギーは「食べ物・化粧品・金属」と分けて書いてもらいます。化粧品のアレルギーは、使う化粧品やオイルを選ぶときに、金属のアレルギーは機器の選択に関わることがあります。該当しない場合も「なし」と書いてもらいましょう。空欄では、聞き忘れたのか、該当しないのかが区別できないためです。

「ペースメーカー・体内の金属・最近の手術」は、機器を使う施術では特に大事です。機器によっては、ペースメーカーや体内に金属がある方には使えないものがあります。使う機器の取扱説明書で注意事項を確かめ、この欄と照らし合わせてください。判断に迷うときは、施術を見合わせ、主治医に相談してもらうようお願いします。

「服用中の薬・通院中の病気」と「妊娠中・授乳中」は、聞きにくい項目です。「施術の内容を安全に選ぶために伺っています」と理由を添えると、答えてもらいやすくなります。聞き方の例はカウンセリングシートの項目例にまとめています。

コース:残り回数と有効期限を書く

コースや回数券を使う方は、コース名、残り回数、有効期限を書きます。残り回数は、来店のたびに2枚目の記録とあわせて書き直します。残り回数・有効期限・前受金をまとめて管理する表の例は、回数券の管理方法をご覧ください。回数の数え違いは、お客様との行き違いになりやすいところです。消化した日と残り回数を、施術の直後にお客様と一緒に確かめる習慣をつけると安心です。

ご希望:目標と避けたいこと

「目標・なりたい状態」は、「結婚式までに肌を整えたい」のように、時期があれば時期も書いてもらいます。圧の強さ、苦手な香り、避けたいことは、担当が替わっても同じ接し方をするための情報です。

2枚目:顔の図への書き込み方

エステの用紙の2枚目には、正面の顔の図が2つ並んでいます。左が「前回までのデザイン・肌の状態」、右が「今回のデザイン・気になるところ」で、それぞれに日付の欄があります。前回と今回を左右に並べて書けるので、どの部分が変わったかを比べやすい作りです。

左右の取り違えを防ぐ

図は正面から見た顔です。図の向かって左が、お客様の右側にあたります。「右頬」と書くときに、お客様の右か施術者から見た右かで迷わないよう、店内では「お客様から見た左右で書く」と決めておきます。図の外に「R」「L」と書き添えておくと、ほかのスタッフも読み違えません。

記号を決めて書き込む

肌の状態を毎回同じように描けるよう、記号を店内で決めておきます。例えば次のような決め方があります。

書きたいこと記号の例書き添えること
しみ・色むら塗りつぶした丸大きさのおおよそ(例:5mm)
ニキビ・吹き出物白い丸赤みの有無
赤み・刺激の出た部分斜線で囲むお客様の申告か、施術者の所見か
乾燥・毛穴が気になる部分点で塗る範囲
施術で重点的にケアした部分矢印使った機器・化粧品

図の点線は、眉頭と眉山の位置の目安線です。眉の施術をしない場合は、顔の部位の位置を合わせる目印として使えます。ボディの施術には、この用紙の顔の図は使えません。施術した部位は、記録欄に「背中・肩」「脚(ひざ下)」のように文字で書いてください。

2枚目:施術の記録の書き方と記入例

記録の表の列は「日付・メニュー・担当・使った機器・化粧品/肌の変化・金額・次回」の6つです。記録欄には、次の順番で書くとそろいます。

  1. 施術した部位
  2. 使った機器と設定、使った化粧品(商品名)
  3. 施術中・施術後の肌の様子(赤みが出た、つっぱりを訴えた、など)
  4. 前回からの変化(お客様の感想と、施術者の所見を分けて)
  5. コースの残り回数

記入例(架空の記録)

このあとの記入例は、書き方を説明するための架空のものです。

日付メニュー担当使った機器・化粧品/肌の変化次回
6/3フェイシャル 60分(10回コース1回目)山本顔全体。クレンジング○○、美容液△△。機器□□は使わず(初回のため)。左頬に施術中の赤みなし。残り9回6/17
6/17フェイシャル 60分(2回目)山本顔全体。機器□□ 弱。お客様「乾燥が楽になった」。所見:両頬の乾燥は前回と同程度。残り8回7/1
7/1フェイシャル 60分(3回目)佐々木顔全体。機器□□ 弱。施術後、右頬(お客様の右)に軽い赤み、10分で引いた。次回は右頬の機器の時間を短く。残り7回7/15

お客様の感想は「 」で囲み、施術者の所見と分けて書いています。効果を振り返るときに、どちらの見方かがわかるようにするためです。赤みや刺激が出たときは、どこに・どのくらいの時間出たかと、次回にどうするかまで書いておくと、担当が替わっても同じ判断ができます。

施術前後の写真の同意と撮り方

肌の変化は言葉で説明しにくいため、施術前後の写真が役に立ちます。ただし、顔の写真は特に慎重な扱いが要ります。用紙の同意欄では、「施術の写真を記録に残すこと」と「写真を店舗の SNS 等に載せること」を別々にチェックする形です。記録には同意しても、掲載は断る方がいるためです。掲載する前には、改めて本人に確認してください。

前後の写真を比べるときは、撮り方をそろえないと、変化が正しく見えません。次の点をそろえておきます。

  • 同じ場所・同じ照明で撮る(窓の光は時間で変わるので避ける)
  • 顔の向き(正面・左右45度)と、カメラからの距離をそろえる
  • 施術の前はメイクを落とした状態で撮る
  • 保存した端末とフォルダの名前を、記録欄に書く

写真はスタッフ個人のスマートフォンに残さず、店の端末で保存する、などのルールを決めておくと安心です。

アレルギー・病歴など健康の情報の扱い

カルテの内容や顔の写真は個人情報です。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)では、個人に関する情報には映像や音声による情報も含まれるとしています(2026年10月18日に参照)。服用中の薬や通院中の病気のような病歴にかかわる情報は、「要配慮個人情報」にあたる場合があります。要配慮個人情報は、取得や第三者への提供に原則として本人の同意が必要になるなど、通常の個人情報より扱いのルールが厳しくなっています。

健康の欄は、お客様ご本人に書いてもらうのが基本です。書かれた内容は、施術の安全を確かめる目的以外に使わないようにします。紙のカルテは鍵のかかる場所にしまい、見られる人を決めておきましょう。保管の期間や廃棄の方法も、店内のルールとして文書にしておきます。法律の当てはめは店舗の状況で変わります。詳しくは、個人情報保護委員会の資料を確かめたうえで、弁護士などの専門家へご相談ください。

記録を次回の施術とホームケアの提案に使う

カルテは、次の来店の前に読み返してこそ役に立ちます。予約が入ったら、前回と前々回の記録、顔の図、健康の欄を見て、次の点を確かめておきます。

確かめることカルテのどこを見るか当日の使い方
前回の施術の内容と肌の反応2枚目の記録欄、顔の図赤みが出た部分の施術の時間や機器の設定を変える
健康の状態の変化1枚目の健康の欄(記入した日付)来店時に「前回から変わりはありませんか」と口頭で確かめる
目標と進み具合1枚目のご希望、2枚目の所見目標の時期から逆算して、残りの回数の使い方を相談する
ホームケア1枚目の化粧品とホームケアの欄いま使っている商品と重ならない提案をする

ホームケアの商品を提案するときは、使っている化粧品の欄と、化粧品のアレルギーの欄を先に見ておきます。合わなかった商品を、知らずにもう一度すすめてしまうことを防げます。コースの終わりが近い方には、顔の図と写真で前回からの変化を一緒に振り返ったうえで、次の通い方を相談すると話を進めやすくなります。次回予約の声かけの考え方は次回予約率の上げ方、来店の周期の数え方はリピート率の計算と上げ方で説明しています。

無料のエステサロン用カルテ(テンプレート・PDF)

この記事で紹介した項目と顔の図は、Leporto が無料で配っているエステサロンのカルテのテンプレートに入っています。A4の2枚組で、印刷してそのまま使え、店内でのコピーも自由です。下のリンクから無料でダウンロードできます。

まつげ・眉サロン用の用紙にも同じ顔の図があり、目元の拡大図もついています(書き方はマツエクのカルテの項目と書き方)。ほかの業種の用紙はサロンのカルテ テンプレート(業種別6種)にあります。

お客様が増えると、紙のカルテでは前回の写真や残り回数を探すのに時間がかかります。電子カルテに移すときの手順は紙カルテを電子化する手順にまとめています。Leporto には予約と顧客の情報にひもづく電子カルテがあり、話した内容を声で残す音声カルテも使えます。来店前に Web でカウンセリングシート(問診)を書いてもらうこともできます。詳しくは Leporto の電子カルテ をご覧ください。

参考にした公的機関の資料

いずれも2026年10月18日に参照しました。

よくある質問

Q. エステのカルテに最低限必要な項目は何ですか?

最低限そろえたいのは、お名前と連絡先、アレルギーと服用中の薬、妊娠・授乳、ペースメーカーや体内の金属、毎回の施術の日付・担当・使った機器と化粧品です。前半は安全のため、後半は次回の施術を同じ条件で行うために欠かせません。コースを販売している場合は、残り回数と有効期限も必ず書きます。

Q. 顔の図にはどこまで細かく書けばいいですか?

気になるところの位置と種類がわかれば十分です。記号を店内で決め、大きさや範囲を一言添えます。細かい変化は写真で残し、図にはその写真の保存先を書いておくと、両方を行き来して確かめられます。

Q. 2回目以降もカウンセリングシートを書いてもらうべきですか?

毎回すべてを書いてもらう必要はありません。ただし健康の状態は変わることがあるので、来店のたびに「前回から体調や服用中の薬に変わりはありませんか」と口頭で確かめ、変わった点だけを書き直して日付を添えます。

Q. お客様が健康の欄を書きたがらないときはどうすればいいですか?

施術の安全を確かめるために使うこと、ほかの目的には使わないことを伝えます。それでも書きたくない項目がある場合は、無理に聞き出さず、その情報がないと行えない施術は見合わせる、と説明しておくと行き違いになりにくくなります。

Q. ボディの施術の記録はどう書けばいいですか?

この用紙の図は顔だけです。ボディの施術は、記録欄に部位を文字で書き、必要なら写真を残します。ボディの施術が多いお店は、全身の図を別の紙で用意して、カルテに添えるとよいでしょう。