次回予約率の計算方法と取り方:美容室・サロンの会計時の声かけ例文と、スタッフ別の見方

次回予約率は、会計した件数のうち、その場か決めた時間内に次の予約が入った件数の割合です。計算するときは、新規客と既存客を分け、「会計から何時間以内に入った予約を数えるか」を決めておきます。次回予約を取るには、会計のときに急に切り出すより、施術中に次に来る目安を伝えておき、会計では日にちを一緒に決める形にすると、押し売りになりにくくなります。以下では、計算式と計算例、場面別の声かけの例文、断られたときの対応、スタッフ別の記録のしかたの順に説明します。
次回予約率とは
次回予約率は、来店したお客様が、帰るまでに(または帰ってすぐに)次の予約を入れた割合です。美容室だけでなく、ネイル、まつげ、エステ、整体など、来店の周期がある予約制の店でよく使われます。
似た数字にリピート率があります。リピート率は、実際に2回目の来店があったかを、決めた日数が過ぎてから確かめる数字です。次回予約率は会計の直後に分かるため、その日の提案がうまくいったかをすぐに振り返れます。一方で、入った予約が来店前にキャンセルされることもあるため、次回予約率だけでは定着したかどうかまでは分かりません。両方を並べて見るのが基本です。リピート率の計算は美容室のリピート率の計算方法と上げ方で説明しています。売上や客単価を含めて毎月見る数字の一覧は、美容室経営・サロン経営の基本にあります。
次回予約率の計算方法
基本の式
次回予約率 = 次の予約が入った会計の件数 ÷ 期間内に会計した件数 × 100
たとえば、ある月に会計が300件あり、そのうち138件で次の予約が入ったなら、138÷300で46.0%です。
計算の前に決めておくこと
次回予約率には、決まった計算のルールがありません。同じ店でも、次の点の決め方で数字が変わります。最初に決めて、途中で変えないようにしましょう。
| 決めること | 決め方の例 | 注意すること |
|---|---|---|
| 分母を件数にするか人数にするか | 会計の件数で数える | 人数で数えると、月に2回来た人も1と数えるため、数字が変わる |
| 数える予約の時間 | 会計から24時間以内に入った予約 | 「会計の場だけ」にすると、帰ってからLINEやWebで入れた予約が数えられない |
| 除く会計 | 店販だけの会計は分母に入れない | 店販だけの会計を入れると、数字が下がる |
| 新規と既存 | 分けて計算する | 合わせると、新規が多い月ほど数字が下がる |
| 後でキャンセルされた予約 | 次回予約率には入れ、キャンセルは別に数える | 次回予約率から除くと、確定まで数字が出ない |
時間の幅は、短すぎても長すぎても使いにくくなります。会計の場だけにすると、家族の予定を確かめてから夜に予約したお客様が入りません。逆に1週間などと長くすると、店からの提案と関係なく入った予約まで数えてしまいます。
新規と既存を分けた計算例
ここからの数字は、計算の流れを示すために作った仮の数字です。実在の店舗の実績でも、目安でもありません。
| 区分 | 会計の件数 | 次回予約が入った件数 | 次回予約率 |
|---|---|---|---|
| 新規 | 40件 | 8件 | 20.0% |
| 既存 | 260件 | 130件 | 50.0% |
| 合計 | 300件 | 138件 | 46.0% |
翌月、新規と既存それぞれの次回予約率が変わらないまま、新規の会計が80件、既存の会計が220件になったとします。新規は80×20%で16件、既存は220×50%で110件となり、合計は126÷300で42.0%です。お客様への提案は何も変わっていないのに、合計の数字は4ポイント下がりました。新規を増やした月に合計の数字だけを見ると、提案が下手になったと誤って判断してしまいます。
Leporto での次回予約率の数え方
Leporto の分析では、次回予約率を「会計から、店で設定した時間内に次の予約が作られた会計の件数」を「期間内に会計を済ませた件数」で割って計算しています。設定時間の初期値は24時間です。新規・既存・全体ごとに分けて表示されます。手で計算した数字と比べるときは、この定義に合わせてください。
次回予約率の目安
次回予約率の平均を示す公式の統計は、2026年10月時点で見当たりませんでした。参考になる調査として、株式会社ファンくるが同社の会員991名に行ったインターネット調査(2023年3月)があります。この調査では、美容室で指名とは別に次回予約を取ることが多いと答えた人は47%でした。次回予約を決める場面では「仕上がりを見たとき」が多く、次回予約をしない理由では「特にこだわりがない」が最も多かったと報告されています(出典:株式会社ファンくる調べ)。
これはお客様側の意識の調査で、店の次回予約率の平均ではありません。定義をそろえた比較ができない以上、他の店の数字を目標にするより、自店の数字を同じ定義で毎月並べるほうが確かです。
次回予約の取り方:提案は施術中から始める
次回予約は、会計のときに初めて切り出すと、お客様には売り込みに聞こえやすくなります。施術の流れの中で、次の3つの段階に分けて伝えると自然です。
- カウンセリングや施術中に、今日の施術がどのくらい持つか、次はいつごろが良いかを伝える
- 仕上がりを一緒に確かめるときに、次回の目安とその理由をもう一度短く伝える
- 会計のときに、目安の時期の空きを見ながら日にちを一緒に決める
次の図は、この 3 つの段階を施術の流れの順に並べたものです。

上の調査でも、次回予約を決める場面として「仕上がりを見たとき」が多く挙がっていました。仕上がりを確かめる場面で次の目安を伝えておくと、会計での提案が唐突になりません。
次の目安は「1か月後くらいに」ではなく、理由と合わせて伝えます。「根元が1センチほど伸びると色の差が目立ち始めるので、5〜6週間後が目安です」のように、なぜその時期なのかが分かると、お客様が自分で判断しやすくなります。
会計時の声かけ例文(場面別)
例文は、そのまま読むより、自分の言葉に直して使ってください。どの場面でも、断れる余地を残した聞き方にするのがポイントです。
初めて来たお客様
「今日の長さだと、6週間くらいで襟足が気になり始めると思います。もしよければ、そのころでご都合のいい日を見てみましょうか。もちろん、今日は決めずにお帰りいただいても大丈夫です」
新規のお客様は、まだ店を続けて使うか決めていないことが多くあります。予約を取ること自体より、次の目安を覚えて帰ってもらうことを優先します。
カラーや白髪染めのお客様
「根元の白髪は、だいたい4〜5週間で気になり始めます。前回もそのくらいでしたよね。同じ曜日で空いているところを見てみましょうか」
周期がはっきりしているメニューは、前回の来店の間隔を添えると、お客様が自分の予定を思い浮かべやすくなります。
パーマや縮毛矯正のお客様
「今日のパーマは2か月くらいで落ち着いてきます。そのころにカットだけで形を整えるか、かけ直すかを決めるとよいと思います。カットの予約だけ先に入れておくこともできますよ」
かけ直しの時期が先になるメニューは、間にカットなどの短い予約をはさむ提案もできます。
毎回同じ周期で来る常連のお客様
「いつもの4週間後だと、11月の第2週あたりですね。同じ時間帯で取っておきますか」
周期が決まっている常連のお客様には、日にちの候補を具体的に出すほうが、かえって手間をかけさせません。
予定がまだ分からないと言われたとき
「そうですよね。では、目安だけお伝えしておきますね。12月の初めごろがおすすめです。ご予定が決まったら、LINEやWebからいつでも入れていただけます」
ここで予約を無理に取ろうとせず、目安の時期と予約の方法を伝えて終えます。この記事の計算で24時間以内の予約を数える場合、帰ってから入った予約も次回予約として数えられます。
結婚式や入学式などの予定があるお客様
「式が12月10日でしたら、前の週にカットとトリートメントをしておくと、当日いちばんまとまりやすいと思います。人気の時期なので、日にちだけ先に押さえておきましょうか」
予定が分かっているときは、その日から逆算して時期を伝えます。混む時期であることは、事実であれば伝えて構いませんが、急がせる言い方は避けます。
ネイル・まつげ・整体などの場合
「ジェルは3〜4週間で根元が伸びて浮きやすくなります。付け替えの目安は4週間後です。空いている日を見てみましょうか」
施術の持ちや、体の状態が変わる時期など、その業種で次回の目安になる理由を伝えれば、同じ流れで使えます。整体などで体の状態に触れる場合は、効果を約束する言い方にならないよう注意してください。
断られたときにすること
次回予約を断られるのは、提案が失敗したということではありません。断られたときに次の3つをしておくと、次の来店につながりやすくなります。
- 目安の時期と理由を、もう一度だけ短く伝える(ショップカードやLINEのメッセージに書いて渡すと忘れにくい)
- 予約の方法(電話、LINE、Webなど)を伝える
- カルテに「次回の目安」と「断った理由」を書き残す(「仕事の予定が未定」「様子を見たい」など)
目安の時期が近づいたときに送る来店の案内の文面は、サロンの LINE 配信の例文にまとめています。
断った理由が分かると、次の来店や案内のときの声かけを変えられます。たとえば「様子を見たい」と言ったお客様には、目安の時期に髪の調子を尋ねる案内を送る、といった対応ができます。
お客様が一度断ったら、同じ日に何度も勧めないことも大切です。避けたい声かけの例は次のとおりです。
| 避けたい声かけ | 理由 |
|---|---|
| 「次回はいつにしますか」(予約する前提の聞き方) | 断る余地がなく、断りにくさが不満につながる |
| 「今日予約しないと空きがなくなります」(事実でない場合) | 急がせる言い方は信頼を損なう |
| 毎回の会計で、同じ定型の文を読み上げる | 理由のない提案は、お客様の判断の材料にならない |
| 次回予約の割引だけを理由に勧める | 割引がないと来ない予約が増え、キャンセルも増えやすい |
スタッフ別に記録して見る
スタッフが複数いる店では、次回予約率をスタッフ別に分けて記録します。そのとき、新規と既存も分けておくのが大事です。担当する新規の数が違うと、合計の数字だけでは比べられないためです。
次の表は、前の計算例(会計300件)をスタッフ別に分けたものです(仮の数字です)。
| スタッフ | 会計の件数 | うち新規 | 次回予約の件数 | 合計の次回予約率 | 新規の次回予約率 | 既存の次回予約率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Aさん | 120件 | 10件 | 63件 | 52.5% | 30.0%(3件) | 54.5%(60件) |
| Bさん | 100件 | 20件 | 43件 | 43.0% | 15.0%(3件) | 50.0%(40件) |
| Cさん | 80件 | 10件 | 32件 | 40.0% | 20.0%(2件) | 42.9%(30件) |
| 店全体 | 300件 | 40件 | 138件 | 46.0% | 20.0%(8件) | 50.0%(130件) |
合計の次回予約率だけを見ると、BさんとCさんは近い数字です。ところが分けてみると、Bさんは新規の担当が多いために合計が下がっていて、既存は店全体と同じ50.0%です。Cさんは既存の数字が店の中でいちばん低く、こちらを先に確かめる必要があります。新規の数字は、どのスタッフも件数が少ないため、数か月分をまとめてから判断しましょう。
スタッフ別の数字は、責めるためではなく、うまくいっている声かけを店全体で共有するために使います。数字の高いスタッフが施術中に何を伝えているかを、朝礼などで話してもらうのも一つの方法です。次回予約率を評価に使う場合の注意は、美容室の評価制度の作り方にまとめています。
次回予約率と実際の再来をあわせて見る
次回予約率が上がっても、来店前のキャンセルが増えていれば、実際の来店は増えていません。毎月の記録には、次回予約の件数とあわせて、そのうち来店前にキャンセルや変更になった件数も書いておきましょう。次回予約は来店日が先になるため、予約の確認と前日の連絡もあわせて送ると安心です。送る時点ごとの文面は、予約リマインドの例文で紹介しています。
| 月 | 会計の件数 | 次回予約の件数 | 次回予約率 | うちキャンセル | キャンセルの割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| (記入) |
キャンセルの割合は、次回予約の日が来てからでないと確定しません。リピート率と同じように、確定した月に書き込む形にします。次回予約率が高いのにリピート率が上がらない場合は、提案の内容がお客様の予定や希望に合っていない可能性があります。売上や新規客数と同じ月次の表に並べて見る方法は、売上管理の始め方を参考にしてください。
表計算ソフトで続けるか、システムで見るか
次回予約率は、会計のたびに「次の予約が入ったか」を記録すれば、表計算ソフトでも計算できます。ただ、帰ってからLINEやWebで入った予約を、どの会計の次回予約として数えるかを手で突き合わせるのは手間がかかります。スタッフ別、新規と既存別に分ければ、記録の量はさらに増えるでしょう。
予約と会計が同じ仕組みにまとまっていれば、この突き合わせを自動で行えます。Leporto は、予約・顧客・カルテと、売上や集客の分析を一つにまとめた予約管理システムです。前の章で紹介した定義で、新規・既存・全体の次回予約率を計算するほか、スタッフ別の次回予約率を店の目標値と並べて確かめられます。見られる数字の一覧は、売上・集客の分析の機能ページで紹介しています。美容室で、指名の予約や LINE 予約とあわせて次回予約を受ける流れは、美容室向けの予約システムのページで説明しています。
Leporto の管理画面のスタッフ別レポートでは、スタッフごとの目標の達成率と、新規・既存に分けた次回予約率や実リピート率を見られます(表示はデモデータ)。

よくある質問
次回予約率は何%を目指せばよいですか
公式の統計がなく、店によって定義も違うため、一律の目安はありません。まず自店の数字を同じ定義で3か月ほど記録し、新規と既存それぞれで、今より少し高い数字を目標にすると現実的です。
新規のお客様にも次回予約を勧めたほうがよいですか
勧めて構いませんが、予約を取ることより、次に来る目安と理由を伝えることを優先しましょう。新規のお客様は、店を続けて使うかをまだ決めていないことが多いためです。新規の次回予約率は既存より低くなりやすいため、既存とは分けて記録します。
次回予約の割引は付けたほうがよいですか
割引で次回予約率は上がることがありますが、割引がないと来ない予約や、後のキャンセルが増えることもあります。付ける場合は、次回予約のキャンセルの割合やリピート率もあわせて確かめ、続けるかを判断してください。
帰ってからLINEで入った予約も次回予約に数えますか
数えるかどうかは店で決めます。会計から24時間以内など、時間の幅を決めて数えると、会計の場で迷ったお客様の予約も入れられます。決めた幅は途中で変えないようにしましょう。
