予約システムの料金・費用相場と、総額の計算方法(サロン向け)

予約システムの料金は、無料のプランから月に数万円かかるものまで幅があり、1 つの相場の金額では比べられません。比べるときは、月額・初期費用・決済の手数料・予約サイトの掲載料・乗り換えの費用を分けて書き出し、税込か税抜かをそろえてから 12 か月と 24 か月の総額を出すのが確実です。この記事では、費用の内訳の表、税込と税抜のそろえ方、総額の計算式と例、見落としやすい費用のチェックリストを順に説明します。
予約システムの費用相場は、なぜ記事ごとに違うのか
「予約システム 費用相場」で検索すると、記事ごとに違う幅の金額が出てきます。違いが出る理由は、主に次の 3 つです。
- 調べた時点が違う:料金は改定されることがあり、古い記事の金額がそのまま残っていることがあります。
- 数えている範囲が違う:最も安いプランだけを集めた幅か、上位のプランまで含めた幅かで、上限が大きく変わります。
- 税込と税抜が混ざっている:同じ金額に見えても、片方は消費税を含み、片方は含まないことがあります。
そのため、この記事では相場の金額を新しく作りません。代わりに、公式の料金ページの書き方の例を示します。次の表は、2026 年 10 月 18 日に各社の公式ページで確かめた金額を、表記のまま写したものです。表記の違いを見るための例として挙げています。
| サービス | 公式ページの表記(2026-10-18 確認) | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| Airリザーブ | ベーシック 月額 5,500 円(税込)、初期費用 0 円 | 税込で書かれている |
| STORES 予約 | スモール 月 9,790 円(税込) | 年間契約のときの月額。複数月契約では高くなる |
| SalonAnswer(美容サロン向けのクラウド POS) | 月 9,800 円〜(税別)、初期費用 130,000 円(税別) | 税別で書かれている。予約サービスとの連携は別の料金 |
このように、同じ「月額」でも税込・税抜、年間契約かどうかが違います。金額を並べる前に、条件をそろえる作業が必要です。
予約システムの費用の内訳:6 つに分けて書き出す
予約システムにかかるお金は、次の 6 つに分けると漏れにくくなります。上位の記事の多くは月額と初期費用を中心に説明していますが、店の財布から出ていくお金は、それだけではありません。
| 費用 | 何に対してかかるか | 固定か変動か | 確かめる場所 |
|---|---|---|---|
| 月額料金 | プランの基本料金。店舗の数、スタッフの人数、予約の件数で決まることが多い | 固定(人数や件数で段階的に増える) | 料金ページ |
| 初期費用 | 契約時の費用、設定の代行、データの移行 | 最初の 1 回 | 料金ページ、見積もり |
| オプション・従量の料金 | SMS の送信、LINE 連携、カルテや分析などの追加の機能、件数の上限を超えた分 | 固定または使った分 | 料金ページの注記、プラン別の機能の表 |
| 決済の手数料 | 事前決済やキャンセル料の請求をしたときの決済額 | 変動(決済額 × 率) | 決済の手数料のページ |
| 予約サイトの掲載料・送客の手数料 | ホットペッパービューティーなどの予約サイトへの掲載や、そこから来た予約 | 固定または予約に応じて | 予約サイトとの契約 |
| 乗り換えの費用 | 前の契約の残り、二重に払う期間、データの移行、スタッフが覚える時間 | 乗り換えるときだけ | 前の契約の規約、新しい契約の見積もり |
決済の手数料は、事前決済を使う店だけにかかります。手数料とキャンセル料の扱いは、予約の事前決済の導入で詳しく整理しています。
予約サイトの掲載料は、予約システムの料金とは別の契約です。予約システムを替えても、予約サイトに掲載を続けるなら掲載料はそのまま残ります。掲載料の考え方は、ホットペッパービューティーの掲載料と手数料を参考にしてください。LINE予約システムの料金も、同じように分けて考えます。LINE で予約を受ける場合は、予約システムやツールの月額とは別に、店の LINE 公式アカウントの料金を LINE ヤフーに払います。LINE ヤフーの公式の料金ページでは、月額 0 円のコミュニケーションプラン(無料のメッセージは月 200 通)から始められ、メッセージの配信は通数に数えると書かれています(2026 年 10 月 18 日に確認)。予約の確定やリマインドを LINE で送るなら、それが月の通数に数えられるかを、使うツールの説明で確かめておきます。これから開業する店は、こうした月々の費用を開業資金の運転資金にも入れておくと、計画書と実際の支払いがずれにくくなります。
税込と税抜、年払いと月払いをそろえる
金額を比べる前に、すべてを税込か税抜のどちらかにそろえます。店の経費として考えるなら、実際に払う額に近い税込にそろえるほうがわかりやすいです。税抜の金額を税込にするには、税抜の金額に消費税を足します。税率が 10% なら、税抜の金額に 1.1 を掛けた額が税込の目安です。
もう 1 つそろえたいのが、払い方です。料金ページに出ている月額が、年間契約や年払いを前提にした金額のことがあります。月払いや短い契約を選ぶと、表示より高くなる場合があるので、注記まで読んでください。年払いは、12 か月分をまとめて先に払う形のこともあります。総額が同じでも、最初に出ていくお金が大きくなる点に気をつけてください。
総額の計算式:12 か月と 24 か月で比べる
条件をそろえたら、次の式で総額を出します。期間を 12 か月と 24 か月の 2 つで出すと、初期費用の重さと、月々の差の大きさの両方が見えます。
N か月の総額(税込)
= 初期費用 + 乗り換えの費用
+(月額料金 + オプション・従量の料金)× N
+ 月の決済額 × 決済の手数料率 × N
+ 予約サイトの掲載料・送客の手数料 × N
次の図は、上の式の費用を、最初に 1 回だけかかるものと、毎月かかって N か月分を足すものに分けたものです。

月あたりの負担を知りたいときは、総額を N で割ります。初期費用は期間が長いほど薄まるので、24 か月で割ると 12 か月のときより月あたりの額が小さくなります。
予約サイトの掲載料は、どの予約システムを選んでも同じだけかかるなら、比べるときの差にはなりません。ただ、店の費用の全体をつかむために、総額には入れておきます。システムを替えたあとに残る手作業の時間も費用として数えたい場合は、予約システムの選び方の総額の式で、時給に換えて足す方法を説明しています。
計算の例(例の数字です)
例 A と例 B は特定のサービスではありません。金額と率はすべて、計算の流れを示すための例の数字です。どちらも税込にそろえ、予約サイトの掲載料は両方に同じだけかかるものとして表から外しています。
| 項目 | 例 A:月額が安く、決済の手数料率が高い | 例 B:月額が高く、決済の手数料率が低い |
|---|---|---|
| 初期費用(乗り換えの費用を含む) | 0 円 | 税抜 15,000 円 → 税込 16,500 円 |
| 月額料金 | 税込 2,750 円 | 税抜 8,500 円 → 税込 9,350 円 |
| オプション(SMS など) | 月 1,100 円 | 0 円(基本料金に含む) |
| 決済の手数料率 | 5% | 3% |
月の事前決済の額が 10 万円の店では、1 か月の費用は例 A が 8,850 円、例 B が 12,350 円です。12 か月の総額は、例 A が 106,200 円、例 B が 164,700 円になります。24 か月では、例 A が 212,400 円、例 B が 312,900 円です。この店では、どちらの期間でも例 A のほうが安く済みます。
月の事前決済の額が 40 万円の店では、結果が逆になります。1 か月の費用は、例 A が 23,850 円、例 B が 21,350 円です。12 か月の総額は例 A が 286,200 円、例 B が 272,700 円、24 か月では例 A が 572,400 円、例 B が 528,900 円です。
どこで逆転するかを出す
2 つの候補で迷ったら、どの決済額で総額が並ぶかを出すと判断しやすくなります。例では、決済以外の月の固定の差が 5,500 円(9,350 円 −(2,750 円 + 1,100 円))、手数料率の差が 2% です。初期費用を考えなければ、月の決済額が 5,500 ÷ 0.02 = 275,000 円で並びます。
初期費用の 16,500 円を期間でならして足すと、12 か月なら約 34 万円、24 か月なら約 31 万円が分かれ目です。自分の店の決済額がこの分かれ目より大きいか小さいかで、どちらが安いかがわかります。長く使うほど初期費用の影響は小さくなり、分かれ目は 275,000 円に近づきます。
見落としやすい費用のチェックリスト
料金ページの最初の表だけでは、総額に入れ忘れる費用があります。契約の前に、次の項目を料金ページの注記・規約・見積もりで確かめてください。
| 項目 | 確かめる質問 | 総額の式のどこに入るか |
|---|---|---|
| 契約期間 | 最低の契約期間はあるか。表示の月額は年間契約が前提か。自動で更新されるか | 月額料金(月払いなら高い額で計算する) |
| 解約 | 途中でやめたときに残りの期間の料金はかかるか。何日前までに連絡が要るか | 乗り換えの費用(次に替えるとき) |
| オプション | SMS・LINE 連携・カルテ・分析・アンケートは基本料金に入っているか | オプション・従量の料金 |
| 連携 | POS やレジ、予約サイト、カレンダーとの連携に、追加の料金や連携先の側の料金がかかるか | オプション・従量の料金、初期費用 |
| データ移行 | 今の顧客・予約・カルテのデータを書き出せるか。移行の作業は有料か。どの範囲まで移せるか | 初期費用、乗り換えの費用 |
| スタッフ数課金 | 人数の上限を超えたら 1 人ずつ足せるか、上のプランに替える必要があるか。辞めた人の分も数えるか | 月額料金 |
| 店舗・件数の上限 | 店舗を増やしたときの料金。月の予約件数の上限と、超えたときの扱い | 月額料金、オプション・従量の料金 |
| 決済の入金 | 決済の手数料のほかに、振込の手数料や月の固定費がかかるか | 決済の手数料 |
スタッフ数課金は、いまの人数ではなく、1 年後に予定している人数で計算しておくと安心です。たとえば、スタッフが 1 人増えるだけで上のプランに替える必要がある場合は、月額が段階的に上がります。
乗り換えのときにかかる費用
いまの予約システムから替える場合は、新しいシステムの料金のほかに、乗り換えそのものの費用がかかります。主なものは次の 4 つです。
- 前の契約の残り:年間契約の途中でやめると、残りの期間の料金がかかることがあります。更新の月に合わせると、この費用を避けやすくなります。
- 二重に払う期間:新しいシステムに慣れるまで、両方を並べて使う期間があると、その月は 2 つ分の月額がかかります。
- データの移行:顧客や予約の履歴を移す作業です。自分で入れ直すか、代行を頼むかで、費用と時間が変わります。
- 覚える時間と案内:スタッフが操作を覚える時間と、お客様に新しい予約ページを案内する手間です。
1 と 2 は、総額の式の「乗り換えの費用」に金額で入れられます。3 と 4 は時間で出ていく費用なので、何時間かかりそうかを書き出しておくと、比べるときに忘れません。無料のプランから替えるときの手順は無料の予約システムで足りるかで、自作した仕組みから替えるときの考え方は予約システムを自作するか、導入するかで説明しています。候補のサービスを機能と料金で同じ条件にそろえて比べたい場合は、予約システムの比べ方も参考にしてください。
Leporto の料金を同じ式に入れる場合
Leporto は、予約・顧客・カルテ・売上と集客の分析・LINE 連携をまとめた、経営改善型の予約管理システムです。料金(税抜)は、ライトが月 5,000 円(オーナーとスタッフ 1 名まで)、スタンダードが 1 店舗目 月 30,000 円(スタッフ 5 名まで)、2 店舗目以降は月 10,000 円です。スタッフの追加は 1 名につき月 2,000 円で、契約は 1 年単位となります。初期費用は、自分で設定すれば無料、設定の代行を頼む場合は 1 店舗 30,000 円で、データの移行も含みます。
自分の店のスタッフの人数と店舗の数に合うプランを選び、上の式に入れてください。ほかの候補と比べるときは、税込にそろえ、事前決済を使う場合の決済の手数料を別に足してください。Leporto の事前決済の手数料は、使う決済サービスの料率がそのままかかります(Square を使う場合は Square の料率)。プランの違いはプランごとの料金と含まれる機能にまとめています。
よくある質問
予約システムの料金の相場はいくらですか?
無料のプランから、月に数万円かかるものまで幅があります。比較記事の相場は、調べた時点や税込・税抜、数えたプランの範囲が記事ごとに違うため、そのまま比べるのはおすすめしません。候補を 2〜3 個に絞り、公式の料金ページの金額で 12 か月と 24 か月の総額を出して比べてください。
月額 0 円のプランなら、費用はかかりませんか?
月額が 0 円でも、事前決済を使えば決済の手数料がかかり、SMS などの従量の料金がかかることもあります。件数やスタッフの人数の上限を超えると、有料のプランへの切り替えが必要になる場合もあります。総額の式に、決済の手数料とオプションを入れて確かめてください。
税込と税抜のどちらで比べればよいですか?
どちらでもかまいませんが、すべての候補を同じほうにそろえることが大切です。実際に払う額をつかみたいなら、税込にそろえるとわかりやすくなります。料金ページの金額の近くに「税込」「税別」「税抜」の注記があるかを、毎回確かめてください。
年間契約と月契約は、どちらが得ですか?
年間契約のほうが月あたりの料金が安く設定されていることが多いですが、途中でやめたときの扱いを確かめる必要があります。続けて使うことが決まっているなら年間契約、合うかどうかを試したい段階なら、無料体験や短い契約で確かめてから決めるのが安全です。解約の連絡の期限と自動更新の有無も、契約の前に見ておいてください。
