グループレッスンの予約管理:定員・最少開催人数・キャンセルと回数券のルールの決め方
グループレッスンの予約管理は、先に「定員」「最少開催人数」「予約の締切とキャンセル期限」「回数券の消化」「キャンセル待ち」の5つのルールを決めておくと、毎回の判断に迷わなくなります。定員は、講師1人が目を配れる人数、マシンや器具の台数、店全体で同時に受けられる人数のうち、いちばん小さい数で決めます。この記事では、ヨガ・ピラティス・ジムのグループレッスンを例に、ルールの決め方を表と連絡文の例で説明します。後半は、予約システムでの設定のしかたです。
グループレッスンの予約管理で決める7つのルール
1対1の施術と違い、グループレッスンでは1つの枠に何人もの予約が入ります。1人のキャンセルが、ほかの参加者やクラスの開催そのものに関わるのが特徴です。そのため、その場で判断せず、次のルールを先に決めて予約の前にお客様へ伝えておきます。
| ルール | 決めること | 決めないと起きやすいこと |
|---|---|---|
| 定員 | 1クラスの最大人数 | 講師が見きれない、マシンが足りない |
| 最少開催人数 | 何人未満なら中止にするか、いつ判断するか | 1人のために講師の時間が埋まる、直前の中止で不満が出る |
| 予約の締切 | 何時間前まで予約を受けるか | 直前の予約で準備が間に合わない |
| キャンセル期限 | 何時間前まで無料で取り消せるか | 空いた席を埋める時間がない |
| 回数券の消化 | 期限後・当日・無断のとき、1回分を使ったことにするか | 人によって対応が変わり、不公平感が出る |
| キャンセル待ち | 空きが出たとき誰に、どう知らせるか | 先に連絡した人と後の人で取り合いになる |
| 体験・固定枠 | 体験の方と、毎週同じ枠に来る会員の席をどう扱うか | 体験の方ばかりの回や、会員で埋まって新しい方が入れない回ができる |
順番に決め方を見ていきます。ルールは料金表や予約ページ、回数券を買うときの説明に同じ文で書いておくと、お客様にもスタッフにも伝わりやすくなります。
レッスンの定員の決め方
定員は「入れたい人数」ではなく、安全に、質を落とさずに見られる人数から決めます。考える上限は次の5つです。
| 上限 | 考え方 | 例 |
|---|---|---|
| 講師1人が目を配れる人数 | フォームの修正や声かけが全員に届く人数。講師の経験やクラスの難しさで変わる | 初心者向けのクラスは少なめにする |
| マシン・器具の台数 | 1人1台が必要なクラスは台数が上限 | リフォーマー 4 台なら、同じ時間に 4 人まで |
| 部屋の広さ | マットを敷ける枚数、器具を動かせる広さ | マットを並べられる枚数が上限 |
| 受付・更衣室 | 始まる前後の受付や着替えが回る人数 | 前後のクラスと人が重なる時間に注意する |
| 店全体で同時に受ける人数 | 同じ時間に2つのクラスを開くときの合計 | スタッフの数や入口の混み具合で決める |
この5つのうち、いちばん小さい数がそのクラスの定員になります。たとえば講師が 6 人まで見られても、リフォーマーが 4 台なら、マシンピラティスの定員は 4 人です。クラスの種類ごとに上限が違うので、マシンを使うクラスとマットのクラスは分けて定員を決めます。最初は少なめの定員で始め、講師やお客様の声を聞きながら見直すと、質を保ちやすくなります。
定員を決める記入表
自店のクラスごとに、次の表を埋めてみてください。空欄の上限は「考えなくてよい」ではなく、まだ確かめていないという意味です。
| クラス名 | 講師が見られる人数 | 器具の台数 | 部屋に入る人数 | 受付・更衣室 | 定員(いちばん小さい数) |
|---|---|---|---|---|---|
| (例)マシンピラティス | |||||
| (例)マットヨガ |
最少開催人数と、中止するときの連絡
最少開催人数は、それより少ないとクラスを開かない人数です。決めておかないと、参加者が1人の回にも講師の時間とスタジオを使い続けることになります。一方で、直前に中止を知らせると、予定を空けていたお客様の不満につながります。決めるのは次の3つです。
- 何人未満で中止にするか(例:2人未満)。
- いつ判断するか(例:前日の18時)。判断の時刻はキャンセル期限と同じにすると、お客様にも説明しやすくなります。
- 中止のときにどうするか。回数券は消化しない、前払いの料金は返す、別の回を案内する、のように決めます。
人数が少ない回でも開く、と決める店もあります。その場合は「少人数の回は内容を調整します」と書いておくと、来たお客様が戸惑いません。判断の時刻になったら、予約の一覧でその回の人数を確かめ、中止にする回の予約者へ連絡します。
中止の連絡文の例
○○様○月○日(○)○時からの「○○クラス」は、ご予約の人数が開催の人数に達しなかったため、お休みとさせていただきます。直前のご連絡となり申し訳ありません。回数券は消化しておりません。前払いのお支払いは○日までに返金いたします。同じ週の○日(○)○時の回に空きがございます。ご希望の場合は、このトークにご返信ください。
中止を伝えるときは「回数券や料金がどうなるか」と「代わりの回」を必ず書き添えます。お客様が次に何をすればよいかがわかり、問い合わせも減ります。
予約の締切とキャンセル期限の決め方
予約の締切は、準備が間に合う時刻で決めます。マシンの準備や講師の割り当てが要るクラスは早めに、マットのクラスは直前まで受ける、のように分けてもかまいません。キャンセル期限は、空いた席をキャンセル待ちの方や新しい予約で埋められる時刻で決めます。期限が直前すぎると、空いた席が埋まらないまま始まることが増えます。
期限を決めたら、予約の確認とリマインドの連絡に必ず書き添えます。前日のリマインドで「取り消しは○時までにご連絡ください」と伝えると、早めの連絡が増えるでしょう。リマインドの送り方と文例は、予約リマインドの例文にまとめました。
キャンセル期限と回数券の消化の組み合わせ
回数券や月の回数が決まったコースで通うお客様が多い店では、キャンセル料をいただく代わりに「1回分を使ったことにする(消化する)」ルールにすることがよくあります。組み合わせの例を表にしました。どの欄も「この形にしなければいけない」ものではありません。自店で決めて、回数券を買う前に伝えておくことが大切です。
| キャンセルの時期 | 回数券・回数つきのコース | 1回ごとに払う方 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| キャンセル期限より前 | 消化しない | 料金はいただかない | 空いた席を埋める時間がある |
| 期限を過ぎてから前日まで | 消化しない/1回分消化(店で決める) | キャンセル料なし/一部(店で決める) | 埋め直せる見込みで決める |
| 当日のキャンセル | 1回分消化 | キャンセル料(店で決める) | 埋め直しにくい |
| 無断キャンセル | 1回分消化 | キャンセル料(店で決める) | 席を空けて待つことになる |
| 店の都合で中止 | 消化しない | 前払い分を返す | お客様に落ち度がない |
体調不良や交通機関の止まったときに免除するかどうかも、決めて書いておきます。人によって対応を変えると、ほかの会員やスタッフに不公平感が生まれるためです。無断キャンセルが続く方への対応や、キャンセルポリシーの文例は無断キャンセル対策で詳しく説明しています。
キャンセル料や消化のルールで気をつける法律
キャンセル料の額や、キャンセルのときに消化する1回分の価値が大きすぎると、法律上の問題になることがあります。消費者契約法第9条第1項第1号は、契約の解除にともなう損害賠償の額の予定や違約金のうち、同じ種類の契約の解除で事業者に生じる「平均的な損害」を超える部分を無効としています(e-Gov 法令検索「消費者契約法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061 )。グループレッスンでは、期限が早ければ席を埋め直せることもあります。キャンセルの時期ごとに、実際に埋め直せているか、どれだけ損をしているかを記録から確かめ、説明できるルールにしてください。
また、特定商取引法の「特定継続的役務提供」は、長い期間の役務を高い金額で契約する取引に、契約書面の交付や中途解約などの決まりを定めています。対象として指定されているのは、エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの7つです(消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/continuousservices/ )。ヨガ・ピラティス・ジムはこの一覧に挙がっていませんが、エステなどと組み合わせたコースを売る場合は確かめが要ります。法律に当てはまるかどうかの判断は、契約の中身で変わります。詳しくは専門家にご相談ください。
キャンセル待ちの繰り上げ方
満席のクラスでキャンセルが出たときに、待っている方へ席を回すのがキャンセル待ちです。グループレッスンでは、同じ回に何人も待っていることがあるため、繰り上げの順番を決めておきます。
まず順番です。登録した順に1人ずつ連絡するか、待っている全員に一斉に知らせて先に返事をくれた方にするかを選びます。1人ずつ連絡するなら、返事の期限(例:連絡から2時間)を決め、過ぎたら次の方へ回します。開始の直前は返事が間に合わないので、「開始の○時間前で繰り上げを終える」という締切も必要です。繰り上がった時点で予約は確定し、そこからは通常の予約と同じキャンセルのルールが当てはまる、と伝えておくと行き違いがありません。
連絡の順番や例文は、サロンのキャンセル待ちの受け方で手順ごとに説明しています。1対1の予約を前提にした記事ですが、返事の期限や二重予約の防ぎ方はグループレッスンでも同じです。
別の回へ移るとき(振替)の扱い
別の回へ移りたいという相談も、ルールを決めておくと受けやすくなります。キャンセル期限より前なら、今の予約を取り消して、移りたい回に予約し直すのがわかりやすい方法です。期限より前の取り消しは回数券を消化しないので、お客様にとっては「振替」と同じ結果になります。期限を過ぎてからの移動を受けるかどうか、月に何回まで受けるかは、店で決めて書いておきます。
回数券と月謝(月ごとのコース)の決め方
グループレッスンの回数券では、次の3つを決めます。
- どのクラスで使えるか。1枚の回数券でマシンのクラスもマットのクラスも受けられるようにするか、クラスごとに分けるかを決めます。
- 1回の受講で何回分を使うか。時間の長いクラスやマシンを使うクラスは2回分にする、のように差をつける方法もあります。
- 有効期限。期限内に使いきれるかどうかを、通う頻度から考えます。
月ごとに払って月に何回まで通える形(月謝・サブスク)にする場合は、「その月に使わなかった回数を翌月に持ち越すか」を決めておきます。回数券の残り回数・有効期限・前受金の管理のしかたは、回数券の管理方法で管理表を使って説明しています。
体験レッスンの受け方
体験レッスンは、初めての方にだけ出すメニューにします。会員が体験の料金で何度も受けられる状態を防ぐためです。体験の方が1つの回に集まると、講師の説明に時間がかかり、ほかの会員が待つことになります。「体験の方が多い回は、予約の時点で日時を相談する」のように扱いを決めておくと安心です。体験のあとに入会や回数券の購入をどう案内するかも、講師ごとにばらつかないよう、伝える内容を決めておきます。
毎週同じ枠に来る会員(固定枠)の扱い
毎週同じ曜日・時間に通う会員が多いと、予約を取り忘れたり、先に満席になって入れなかったりすることがあります。毎週同じ枠を自動で取る「繰り返し予約」を使うと、こうした行き違いを減らせます。ただし、固定枠の会員だけで席が埋まると、新しいお客様や体験の方が入れません。たとえば「固定枠は定員の半分まで」のように、固定枠に回す席の上限を店で決めておきます。固定枠の会員が休むときの連絡の期限と回数券の扱いも、通常の予約と同じルールにしておくと、説明が1つで済みます。
Leporto でグループレッスンの予約を管理するには
Leporto は、予約・顧客・カルテ・売上と集客の分析をまとめた予約管理システムです。決まった日時に講師1人が何人かを受け持つ、定員つきのクラスの予約を受けられ、講師1人で3人以上を受け持つ形にも対応しています。定員は、スタッフごとの「並行対応人数」、店全体の「最大同時受付数」、設備の数の3つで決めます。この記事の「定員の決め方」の上限を、そのまま設定に置きかえる形です。
| 定員の上限 | Leporto の設定 |
|---|---|
| 講師1人が目を配れる人数 | スタッフごとの「並行対応人数」 |
| マシン・器具の台数 | 設備(台数の分だけ登録し、使うメニューを割り当てる) |
| 店全体で同時に受ける人数 | 予約設定の「最大同時受付数」 |
スタッフの設定では、並行対応人数のほか、予約を始めてよい時刻を決められます。「毎時 00 分だけ」のようにしぼると、クラスの開始時刻にだけ予約が入ります。

店全体で同じ時間に受ける予約の数は、予約設定の最大同時受付数で上限を決めます。

マシンは設備として登録します。設備の数で、同じ時間帯に取れる予約の数が決まるため、リフォーマーを 4 台登録してマシンピラティスに割り当てると、同じ時間のマシンピラティスは 4 件までしか入りません。個室やブースも設備として登録できます。

予約カレンダーでは、同じ時間のクラスの予約が講師の列に並んで表示されます。誰が来るかと、初めての方(「初」の印)がいるかを、開始前に確かめられます。

回数券は、コースごとに消化する回数を決められ、1枚の回数券で受けられるコースを複数選べます。当日キャンセルや無断キャンセルのときに、回数券を1回分消化することもできます。月ごとの定期支払いで買ってもらう形や、月に通える回数を決めたコースの設定にも対応しています。このほか、キャンセル待ち、初めての方だけに出す体験メニュー、毎週同じ枠を自動で取る繰り返し予約があります。予約の確定とリマインドは LINE のトークやメールで自動で送れ、無断キャンセルと当日キャンセルは分けて記録・集計できます。
最少開催人数を下回った回の中止の判断と連絡、期限を過ぎてからの振替は、この記事のルールに沿って店で行ってください。
ヨガ・ピラティスのスタジオでの使い方はヨガ・ピラティスのページ、回数券の機能は回数券の機能のページで紹介しています。設定の進め方を相談したい場合は、お問い合わせからご連絡ください。
参考にした公的機関の資料
- e-Gov 法令検索「消費者契約法」(第9条) https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/continuousservices/
- e-Gov 法令検索「特定商取引に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057
よくある質問
グループレッスンの定員は何人にすればよいですか?
決まった人数はありません。講師1人が目を配れる人数、マシンや器具の台数、部屋に入る人数、受付や更衣室が回る人数、店全体で同時に受ける人数のうち、いちばん小さい数にします。最初は少なめに決めて、様子を見ながら増やすと質を保ちやすくなります。
最少開催人数に届かないときは、いつ中止を伝えればよいですか?
判断の時刻を先に決め、予約のときに伝えておきます。キャンセル期限と同じ時刻にすると、お客様にも説明しやすくなります。中止の連絡では、回数券を消化しないことや返金の予定、代わりに受けられる回を書き添えてください。
当日キャンセルで回数券を1回分消化してもよいですか?
回数券を買う前にルールを伝えて同意をもらっていれば、多くの店が取っている方法です。ただし、消化する1回分の価値が、キャンセルで店に生じる平均的な損害を大きく超えると、消費者契約法で無効になる部分が出るおそれがあります。判断に迷う場合は専門家にご相談ください。
体験レッスンの方を、会員と同じクラスに入れてもよいですか?
入れてかまいません。体験の方が1つの回に集まると講師の説明が増えるので、体験の方が多い回は予約の時点で日時を相談する、のように扱いを決めておくと安心です。体験メニューは初めての方だけが選べるようにしておきます。
毎週来る会員の予約は、どう管理すればよいですか?
毎週同じ枠を自動で取る繰り返し予約を使うと、取り忘れを防げます。固定枠で席が埋まりすぎないよう、固定枠に回す席の上限を決め、休むときの連絡の期限は通常の予約と同じにしておきます。
