美容室のカルテの項目と書き方(カラー配合の記入例・無料テンプレート)
美容室のカルテには、初回に「髪の状態」「これまでの施術(薬剤の履歴)」「頭皮・体質(かぶれた経験・パッチテスト)」「ご希望」の4つを聞き、来店のたびに「メニュー・担当・薬剤と配合・放置時間・仕上がり・次回」を1行ずつ書き足します。この記事では、Leporto が無料で配っている美容室カルテ(A4・PDF・2枚組)の項目を1つずつ取り上げ、書き方を記入例つきで説明します。美容院・ヘアサロンでも同じ用紙を使えます。後半では、紙と電子カルテの比べ方と、電子カルテで残すときの画面の例も紹介しました。
美容室のカルテに書く項目の一覧
まず全体を表で見ておきます。「用紙の場所」は、無料の用紙の場所です。1枚目は初回にお客様と一緒に書くカウンセリングシート、2枚目は来店のたびにスタッフが書く施術の記録です。
| 項目 | 用紙の場所 | 書く理由 | 見直す時期 |
|---|---|---|---|
| 太さ・毛量・クセ・ダメージ・白髪・生えグセ | 1枚目「髪の状態」 | 薬剤とカットの前提をそろえる | 数回ごと、変化に気づいたとき |
| カラー・ブリーチ・パーマ・縮毛矯正の時期とお店 | 1枚目「これまでの施術」 | 薬剤の選び方と仕上がりの読み違いを防ぐ | 初回と、他店で施術したと聞いたとき |
| ホームカラーをしているか | 1枚目「これまでの施術」 | 色が残っている部分の読み違いを防ぐ | 毎回の来店時に口頭で確認 |
| 頭皮の状態、カラー剤・パーマ剤でかぶれた経験 | 1枚目「頭皮・体質」 | 施術してよいか、どの薬剤を避けるかの判断 | 毎回の来店時に口頭で確認 |
| パッチテストの実施と結果 | 1枚目「頭皮・体質」 | カラーの前の確認の記録 | カラーのたび |
| 妊娠中・授乳中 | 1枚目「頭皮・体質」 | 体調の変化への配慮 | 毎回の来店時に口頭で確認 |
| なりたいイメージ・してほしくないこと・普段のスタイリング | 1枚目「ご希望」 | 仕上がりの食い違いを防ぐ | 毎回 |
| メニュー・担当 | 2枚目の記録欄 | 次回の予約と引き継ぎ | 毎回 |
| 薬剤・配合・放置時間/仕上がり | 2枚目の記録欄 | 次回に同じ色・同じかかり具合を再現する | 毎回 |
| 金額・次回 | 2枚目の記録欄 | 会計の確認と次の予約の案内 | 毎回 |
次の図は、上の表の項目を、書く用紙の場所ごとにまとめたものです。

項目そのものは、どのお店の用紙でも大きくは変わりません。差が出るのは、2枚目の薬剤の記録を毎回どこまで具体的に書くかです。ほかの業種の用紙はサロンのカルテ テンプレート(無料・業種別6種)にまとめています。
1枚目:カウンセリングシートの項目と書き方
1枚目は、初めて来店したお客様に書いてもらい、スタッフが聞きながら補う用紙です。共通の欄(お名前・連絡先・ご来店のきっかけ・同意欄)の間に、美容室だけの4つの欄があります。聞く順番と聞きにくい項目の聞き方は、カウンセリングシートの項目例で説明しています。
髪の状態:薬剤とカットの前提
太さ・毛量・クセ・ダメージ・白髪・生えグセを、用紙の選択肢から選びます。クセは「弱い・強い」に加えて場所も書く欄があり、白髪は「多い」を選んだときに割合を書けます。ここはお客様の自己申告と、スタッフが触って確かめた結果がずれることがあります。ずれたときは消さずに、スタッフの見立てを横に書き添えると、次の担当者が両方を知ったうえで話せます。
これまでの施術:薬剤の履歴
カラー・ブリーチ・パーマ(デジタルパーマを含む)・縮毛矯正・トリートメントの時期とお店を書きます。美容室のカルテでいちばん頼りにされる欄です。「半年くらい前」のような答えでもかまいません。時期がはっきりしないときは、その言葉のまま書いておきます。ホームカラーをしているかも、ここで聞きます。お店での施術と違い、使った薬剤がわからないことが多いためです。
頭皮・体質:かぶれた経験とパッチテスト
頭皮の状態(乾燥・普通・脂っぽい・かゆみや赤み)、カラー剤やパーマ剤でかぶれた経験、パッチテストの記録、妊娠中・授乳中かを聞きます。かぶれた経験は、あり・なしだけでなく、いつ・どの施術で・どんな症状だったかを書いてもらいます。パッチテストの欄は「未実施」「実施(日付・結果)」を選ぶ形です。くわしくは後の「カラーのかぶれに備える記録」で説明します。
ご希望:なりたいイメージと、してほしくないこと
なりたいイメージは、言葉だけでなく参考の写真もあれば一緒に残します。「明るめ」「短め」の受け取り方は人によって違うためです。「してほしくないこと」の欄は、仕上がりへの不満を防ぐのに役立ちます。「前髪を短くされた」「すいて広がった」といった過去の不満は、次回の提案の前に最初に読みます。普段のスタイリングの時間・使う道具や剤、お手入れにかけられる時間も、提案するスタイルを決める手がかりです。
2枚目:施術の記録の書き方(薬剤・配合・放置時間)
2枚目は、来店のたびにスタッフが1行ずつ書き足す表です。列は「日付・メニュー・担当・薬剤・配合・放置時間/仕上がり・金額・次回」の6つです。
薬剤の記録に書くこと
次回に同じ色を出すには、「ベージュ系」のような言葉ではなく、ほかのスタッフが同じものを用意できる書き方が必要です。記録欄には次のことを書きます。
| 書くこと | 書き方の例 | ポイント |
|---|---|---|
| 薬剤のメーカー・品名 | 店で使っている商品名 | 同じ番号でもメーカーが違うと色が違う |
| 色味と明るさ・配合 | 品名の番号と、混ぜた割合 | 2色以上を混ぜたときは割合まで |
| 塗った範囲 | 根元のみ・毛先まで など | 根元と毛先で薬剤を変えたときは分けて書く |
| 放置時間 | 分で書く | 途中で温めたときはそれも書く |
| 仕上がり | 狙いより明るい・暗い など | お客様の感想は言葉のまま |
表の書き方の例は、店で決めた書き方に置き換えてください。店内で書き方をそろえておけば、誰が読んでも同じ意味に取れます。略語を使うときは一覧を作っておきましょう。
パーマ・縮毛矯正の記録
パーマや縮毛矯正でも、同じ列に薬剤と放置時間を書きます。ロッドの種類や太さ、アイロンを使ったかなど、次回のかかり具合に関わることは数字で残します。かかりが弱かった・強かったという結果も「仕上がり」の後に残しておけば、次回に薬剤や時間を変える理由になります。
髪の状態の変化、ホームケア、写真
用紙の2枚目には、ホームケアや写真の専用の欄はありません。記録欄の「仕上がり」の後に、気づいた髪の状態の変化、提案したホームケア(商品名と使い方)、写真を保存した端末やフォルダの名前を書き添えてください。ホームケアの提案と、そのときのお客様の返事を残しておくと、次の担当者が同じ話をくり返さずに続きから話せます。提案の考え方は美容室の客単価の上げ方でも紹介しています。
記入例:架空のお客様の場合
次は、説明のために作った架空のお客様の記入例です。番号や時間は書き方を示すためのもので、施術の基準ではありません。
1枚目(カウンセリングシート)の記入例です。
| 欄 | 記入例 |
|---|---|
| 髪の状態 | 太さ:普通/毛量:多い/クセ:弱い(えりあし)/白髪:少し |
| これまでの施術 | カラー:2か月前(他店)/縮毛矯正:1年前(他店)/ホームカラー:していない |
| 頭皮・体質 | 頭皮:乾燥/かぶれた経験:なし(本人の申告)/パッチテスト:実施(10/16・異常なし) |
| ご希望 | 根元をなじませたい。肩につかない長さ。してほしくないこと:すいて広がること |
2枚目(施術の記録)の記入例です。
| 日付 | メニュー | 担当 | 薬剤・配合・放置時間/仕上がり | 次回 |
|---|---|---|---|---|
| 10/18 | カット+カラー | A | 商品名の番号2色を2:1、根元のみ、20分/狙いどおり。毛先の乾燥が気になると話あり。洗い流さないトリートメントを提案。写真:店のタブレット | 2か月後(予約済み) |
| 12/20 | カット+カラー | B | 前回と同じ配合、根元のみ、20分/前回より少し暗いとの感想。次回は明るい方の割合を増やす案 | 2か月後(予約済み) |
2回目の担当が前回と違っても、1行目を読めば同じ配合から始められます。仕上がりの感想と、次回に変える案まで残しておくのがコツです。
カラーのかぶれに備える記録
ヘアカラーをするお客様には、パッチテストの記録欄を毎回確かめます。消費者庁の消費者安全調査委員会は、毛染めの前には毎回、48時間前に皮膚アレルギー試験(パッチテスト)をするよう呼びかけています。以前は問題がなくても、体質の変化でかぶれることがあるためです(出典は記事の最後の「参考にした公的機関の資料」)。カルテには、パッチテストをした日と結果を書きます。お客様が受けなかった場合も、その事実と、店がどう案内したかを日付と一緒に残しておきます。
施術のあとに、かゆみや赤みなどの連絡があったときは、受けた日、お客様の言葉、店としての対応をそのまま書きます。そのうえで、その日の記録欄の薬剤と担当を確かめます。症状がある場合は、店で判断せず医療機関の受診を案内してください。次の来店の前には、この記録を担当者が必ず読むようにします。紙のカルテでは、目立つ印を付けておくと見落としを防げます。
個人情報と写真の同意
カルテに書く内容は個人情報です。個人情報保護法では、個人情報を取り扱う事業者は利用目的をできるだけ特定し、取得するときに本人に通知するか公表することが求められています。用紙の同意欄には「施術・ご案内・ご予約の管理のために使い、ご本人の同意なく第三者に渡しません」と書いてあります。病歴にかかわる情報は「要配慮個人情報」にあたる場合があり、原則として本人の同意なく取得したり、第三者に渡したりできません。カウンセリングシートは、お客様ご本人に書いてもらうのが基本です。
施術の写真は、カルテに残すことと、店舗の SNS 等に載せることで、お客様の受け止め方が違います。用紙では「記録」と「SNS 等への掲載」のチェック欄を分けています。ここでの説明は個人情報保護委員会の公表資料をもとにした一般的な考え方です。法律の当てはめは店舗の状況で変わるので、詳しくは弁護士などの専門家へご相談ください。
紙のカルテと電子カルテ:美容室での比べ方
美容室のカルテは、薬剤の履歴と写真が積み重なるほど役に立ちます。そのぶん、紙では探す手間が増えていきます。美容室でよく困る場面ごとに比べたのが次の表です。
| 場面 | 紙のカルテ | 電子カルテ |
|---|---|---|
| 前回の配合を確かめる | 棚から探し、ページをめくる | 名前や電話番号で探せる |
| 写真を見せて相談する | 別の端末で写真を探す | カルテに写真を付けられる製品もある |
| 担当が休んだ日の引き継ぎ | 1冊を順に見る | 何人でも同時に見られる |
| 始めるときにかかるもの | 用紙と印刷代、保管の棚 | 月額の利用料と端末 |
| 停電や通信の障害 | 影響を受けない | 端末や通信が使えないと見られない |
いまの運用で困っていなければ、急いで移る必要はありません。前回の配合を探すのに時間がかかる、写真とカルテが別々になっている、といった手間が増えてきたら、電子カルテを考える時期です。移る範囲の決め方や作業の順番は紙のカルテを電子化する手順で、顧客台帳まで含めた項目の決め方は美容室の顧客管理:記録する項目と使い方で説明しています。
無料の美容室カルテ(テンプレート・PDF)
この記事で紹介した項目は、Leporto が無料で配っている美容室カルテのテンプレートに入っています。A4の2枚組(カウンセリングシートと施術の記録)で、印刷してそのまま使え、店内でのコピーも自由です。
用紙の上には「店舗名」の欄があります。ネイル・まつげ・エステ・整体・ジムの用紙は、サロンのカルテ テンプレート(業種別6種)のページからダウンロードできます。
Leporto の電子カルテで残す場合
Leporto は、予約・顧客・カルテを一つにまとめて管理できる、経営改善型の予約管理システムです。予約ごとのカルテに、備考と聞き取った内容を項目ごとに残せます。次の画面はデモの美容室で作った例で、施術内容・カラー配合・髪の状態・ホームケア提案の項目が並んでいます(表示はデモデータ)。

項目ごとに「お客様に表示」を切り替えられるので、カラー配合のように店の中だけで使う記録は非表示のまま残せます。カルテには施術の写真も付けられ、お客様に見せる写真を1枚ずつ選べます。

お客様は、LINE から開くマイページの「カルテ」で、表示にした項目と写真を来店日ごとに確かめられます。ホームケアのアドバイスを家で読み返してもらえます。

施術中の会話から記録を作る音声カルテや、来店前に Web でカウンセリングシート(問診)を入力してもらう機能もあります。紙のカルテは、PDF などのデータにしていただければ取り込みの相談ができます。紙のままお預かりして入力する作業は行っておらず、手書きの字が読めないものは入力できません。カルテの機能は Leporto の電子カルテ で、指名やホットペッパーとの併用など美容室で使う場面ごとの扱いは 美容室向けの予約システムのページ で紹介しています。
参考にした公的機関の資料
いずれも2026年10月18日に参照しました。
- 個人情報保護委員会「法令・ガイドライン等」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
- 消費者庁 消費者安全調査委員会「事故等原因調査報告書 毛染めによる皮膚障害」(平成27年10月23日) https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_008/pdf/8_houkoku.pdf
よくある質問
Q. 美容室のカルテに最低限必要な項目は何ですか?
基本情報(お名前・連絡先)、かぶれた経験とパッチテストの記録、これまでの薬剤の履歴、毎回の施術の記録(日付・メニュー・担当・薬剤と配合・放置時間・次回)があると、担当が変わっても同じ色から始めやすくなります。
Q. 美容院とヘアサロンでも、同じカルテを使えますか?
使えます。呼び方が違うだけで、記録する内容は同じです。メニューに合わせて、記録欄の書き方(略語や番号の書き方)を店内でそろえてください。
Q. 他店でのカラーやホームカラーは、どこまで聞けばいいですか?
時期と、わかる範囲で色味や商品を聞きます。わからないときは「不明」と書き、仕上がりの読み違いに気をつける印として残します。ホームカラーは毎回変わりうるので、来店のたびに口頭で確かめてください。
Q. 紙のカルテは何年保管すればいいですか?
個人情報保護法には一律の保管期間の定めはなく、利用する必要がなくなった個人データは消去するよう努めることとされています。自店で期間を決め、廃棄するときは読めない状態にしてください。詳しくは専門家へご相談ください。
Q. 無料のテンプレートを自分の店に合わせて変えてもいいですか?
かまいません。店名の記入、コピー、印刷、書き込みは自由です。今は PDF のみの配布なので、項目を足すときは印刷したうえで手書きで足してください。かぶれた経験とパッチテストの欄は削らないことをおすすめします。
