電話予約の受け方:聞く7項目・復唱・予約表への入力と、施術中の電話の決め方

施術ベッドの奥の受付に並ぶ固定電話とメモ用紙、予約表のマス目が映るタブレット

電話予約の受け方は、「聞く項目と順番を決める」「切る前に予約表へ入れる」「最後に復唱する」の3つを決めると安定します。受ける人によって聞く内容が変わると、聞き漏れや日時の取り違えが起きるためです。施術中に鳴る電話は、取るか、留守番電話にして折り返すかを店で決めておきます。この記事では、電話で聞く7項目のトークスクリプトと復唱の文例、予約表への入力の手順、施術中の電話の決め方、整骨院の電話対応で足す項目を順に説明します。

電話予約の受け方を決めておく理由

Web予約やLINEの予約を始めても、電話の予約はなくなりません。ネットの操作に慣れていないお客様や、症状や髪の状態を相談してから決めたいお客様は、電話を選びます。整骨院・鍼灸院のように、年配の患者さんが多い院では、電話が予約の中心になっていることもあります。

電話予約でよく起きる困りごとは、次の4つです。

困りごと起きる理由この記事での対策
聞き漏れ受ける人によって聞く項目が違う聞く7項目を紙1枚にまとめる
日時・名前の聞き間違い似た音の数字・言葉がある最後に必ず復唱する
二重予約紙にメモして、後で予約表に入れる電話を切る前に予約表へ入れる
施術中に出られない1人で施術と電話を受けている取る・折り返すのルールを決める

電話をなるべく減らしたい店は、Web予約の始め方で電話とWebの役割の分け方を説明しています。この記事は、それでも残る電話をどう受けるかを扱います。

電話予約の流れ:電話に出てから切るまでの6段階

電話予約は、次の6段階で受けます。順番を決めておくと、新しいスタッフでも同じように受けられます。

電話予約を受けるときの流れを順に並べた図。出て名乗る(店名と自分の名前)、用件を聞く(予約・変更・キャンセル・相談のどれか)、7 つの項目を聞く(名前・電話番号・初めてか・メニューなど)、予約表で空きを見て電話を切る前に入力する、日時・メニュー・名前・電話番号を復唱する、持ち物とキャンセルの連絡先を伝え、相手が切ってから切る。

1段階目は、出てすぐ店名と自分の名前を言うことです。かけ間違いかどうかを、相手がすぐ判断できます。2段階目は用件の確認です。予約・変更・キャンセル・相談のどれかによって、この後に聞く項目が変わります。

4段階目の入力を5段階目の復唱より先に置いているのは、予約表に入れた内容を読み上げるためです。メモを読み上げるより、入力した画面を読み上げる方が、入力のまちがいにもその場で気づけます。

電話の基本の作法として、なるべく早く出ること、メモを取りながら聞くこと、相手が切ってから切ることもよく挙げられます。作法は大切ですが、予約の受付でいちばん困るのは聞き漏れと取り違えです。まず聞く項目と順番を決めましょう。

電話で聞く7項目とトークスクリプト

聞く7項目と聞く理由

電話予約で聞く項目は、次の7つです。受付の電話の横に、この表を印刷して貼っておくと聞き漏れが減ります。

項目聞き方の例聞く理由
1. お名前「お名前をフルネームで伺えますか」同じ名字のお客様と区別する。読み方も聞く
2. 電話番号「ご連絡のつくお電話番号を伺えますか」変更や遅れの連絡をする。携帯の番号がよい
3. 初めてか「当店のご利用は初めてですか」初めての方は時間を長めに取る、問診を用意する
4. メニュー「ご希望のメニューはお決まりですか」所要時間が決まり、空いている枠がわかる
5. 希望の日時「ご希望の日にちとお時間はございますか」第1希望が埋まっていたときのため、第2希望も聞く
6. 担当の希望「担当の希望はございますか」指名の有無で空き枠が変わる
7. 伝えておきたいこと「ほかに伝えておきたいことはございますか」体の不調・アレルギー・お子様連れなどを事前に知る

再来のお客様なら、1と2で予約表のお客様の記録が見つかるので、3は聞かなくてかまいません。4から6は、店の予約の取り方で順番を入れ替えます。指名の多い店は、日時より先に担当を聞くと話が早く進みます。

7は、聞かないと出てこない情報を拾うための質問です。たとえば、施術の前に知っておきたい体調や、ベビーカーで来るといった情報は、聞かれなければ言わないお客様が多いでしょう。

トークスクリプト(そのまま使える文例)

次の文例は、初めてのお客様から予約の電話を受ける場合です。〔 〕の中を、自分の店の言葉に置き換えて使ってください。

店 :お電話ありがとうございます。〔店名〕の〔自分の名前〕です。
客 :予約をお願いしたいのですが。
店 :ありがとうございます。当店のご利用は初めてでしょうか。
客 :はい、初めてです。
店 :ありがとうございます。ご希望のメニューはお決まりですか。
客 :〔メニュー〕をお願いしたいです。
店 :かしこまりました。ご希望の日にちとお時間はございますか。
客 :〔日にち〕の〔時刻〕ごろはどうでしょう。
店 :お調べします。少々お待ちください。
   (予約表で空きを見る)
店 :〔日にち〕の〔時刻〕からでしたら、お取りできます。
   担当の希望はございますか。
客 :特にありません。
店 :では、お名前をフルネームで伺えますか。
   (読み方がわからないときは、どういう字かも聞く)
店 :ご連絡のつくお電話番号もお願いします。
店 :ほかに、伝えておきたいことはございますか。
   (予約表に入力する)
店 :確認のため、ご予約の内容を繰り返します。(下の「復唱」)
店 :当日は〔持ち物〕をお持ちください。
   ご都合が悪くなったときは、〔期限〕までにこの番号へご連絡ください。
店 :〔自分の名前〕が承りました。お待ちしております。
   (相手が切ってから切る)

空きが無いときは、「あいにく〔時刻〕は埋まっております。〔別の時刻〕か、〔別の日〕の〔時刻〕でしたらお取りできます」と、空いている枠を2つほど出します。「いつなら空いていますか」と聞かれて、空き枠を全部読み上げると、電話が長くなりがちです。

キャンセル待ちを受ける店は、ここで「空きが出たらご連絡しましょうか」と伝えます。キャンセル待ちの運用は、キャンセル待ちの記事にまとめています。

復唱のしかた:読み上げる順番と、聞き間違いやすい言葉

復唱は、日時、メニュー、お名前、電話番号の順に読み上げます。いちばん取り違えると困る日時を先にします。

店 :確認のため、ご予約の内容を繰り返します。
   〔月〕月〔日〕日、〔曜日〕の〔時刻〕から、
   〔メニュー〕で、〔所要時間〕ほどのご予定です。
   お名前は〔フルネーム〕様、
   お電話番号は〔番号〕でよろしいでしょうか。

曜日を添えるのは、日付だけだと聞き間違いに気づきにくいためです。日付と曜日が合わなければ、お客様もすぐ気づきます。聞き間違いやすい言葉と、言い換えの例を表にしました。

聞き間違いやすい言葉言い換えの例
1(いち)と7(しち)7は「なな」と読む
4(し)と7(しち)4は「よん」、7は「なな」と読む
午前と午後の時刻「午後2時」ではなく「14時」、または「午後の2時」と言い切る
「来週の火曜」「〔月〕月〔日〕日の火曜日」と日付で言う
同じ読みの名字「どういう字を書きますか」と字を確かめる
電話番号3つか4つずつ区切って読み、最後にもう一度通して読む

整骨院・鍼灸院の電話対応で足す項目

整骨院・接骨院・鍼灸院の電話では、7項目に加えて、次のことを聞いておくと来院後の受付が早く済みます。

足す項目聞き方の例注意
気になる部位「どのあたりがおつらいですか」電話では部位と大まかな様子だけにする
いつからか「いつごろから気になっていますか」急なけがか、前からの痛みかで時間の取り方が変わる
保険を使う予定か「健康保険のご利用はお考えですか」使えるかどうかは、電話では約束しない
来院のときの持ち物「当日は〔持ち物〕をお持ちください」院で必要なものを決めて、紙に書いておく

電話で症状を詳しく聞きすぎると、電話が長くなり、施術の手も止まります。詳しいことは来院後の問診で聞くと決め、電話は「部位といつからか」までにすると、受ける人で差が出にくくなります。

保険を使うかどうかは、時間の取り方や受付の手続きにかかわるので電話で聞いておきます。ただし、保険が使えるかどうかは、来院してから施術者が確かめて決めることです。電話で「使えます」と言い切らないようにしましょう。柔道整復の療養費の取り扱いや受付で確かめる書類は、厚生労働省の案内(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師)と、所属する団体の案内で確かめてください。判断に迷うときは専門家に相談してください。

整骨院の予約の枠や問診の取り方は、整骨院・整体院の予約システムの選び方で説明しています。

施術中の電話をどうするか:取る・折り返すの決め方

施術中に鳴る電話をどうするかは、店の人数で決め方が変わります。決めないままだと、スタッフごとに対応がばらばらになります。

店の形決め方の例気をつけること
受付のスタッフがいる受付が出る。受付が離れているときだけ施術者が出る受付が休む日の決まりも作っておく
2〜3人で受付を置かない手の空いている人が出る。全員が施術中なら留守番電話「誰が出るか」で迷わないよう、出る順番を決める
1人で施術している施術中は出ない。留守番電話にして、施術の合間に折り返す折り返す時刻の目安を留守番電話で伝える

施術中に電話に出ると、施術を受けているお客様を待たせることになります。1人で営業している店は、「施術中は出ない」と決めてしまう方が、どちらのお客様にも誠実です。

折り返しの決まり

留守番電話にする場合は、折り返しの決まりも作っておきます。決めておくとよいのは、次の4つです。

  • いつ折り返すか(例:施術が終わったら、次の施術の前にすぐ)
  • 何回かけ直すか(例:つながらなければ時間を空けてもう1回。それでもつながらなければ、伝言を残す)
  • 伝言が無い着信にもかけ直すか
  • 番号が出ない着信はどうするか(かけ直せないので、留守番電話で伝言を残してもらう)

留守番電話に伝言が無くても、予約の電話だった可能性はあります。着信の履歴を見て、知らない番号にもかけ直すかどうかを決めておきましょう。

留守番電話の文面の例

お電話ありがとうございます。〔店名〕です。
ただいま施術中のため、お電話に出ることができません。
お名前とお電話番号、ご用件を残していただければ、
施術の合間に折り返しご連絡いたします。
ご予約は、〔ホームページ・LINE〕からも24時間お受けしています。

最後の1文は、Web予約やLINEの予約を受けている店だけ入れます。「折り返しは〔時刻〕以降になります」など、営業時間に合わせて足してもかまいません。

予約表への入力:電話を切る前に入れる

電話の予約は、電話を切る前に予約表へ入れます。紙にメモして後から入れると、その間に同じ枠へWebやLINEの予約が入り、二重予約になるおそれがあるためです。

入力のときは、予約の内容に加えて、次の2つも残しておくと後で役に立ちます。

  • 予約の経路(電話):電話の予約が月に何件あるかを数えられ、Webへの案内が進んだかを確かめられる
  • 電話で聞いた「伝えておきたいこと」:担当者が施術の前に見られる場所(予約のメモ欄など)に書く

予約表を紙で付けている店は、紙の予約表を電話の横に置き、その場で書き込みます(紙の予約表に書く項目は予約台帳の作り方を参照)。紙とWebの予約表を両方使うと重なりの原因になるので、どちらか1つにまとめるのが基本です。1つにまとめられないうちは、電話を受けたら、Webの予約表にもすぐ枠を押さえる決まりにします。

電話の予約を数えて、Webへの案内につなぐ

電話の予約を経路として記録しておくと、月ごとの件数がわかります。電話が多い曜日や時間帯がわかれば、その時間に人を置く、留守番電話の時間を決めるといった判断の材料になります。

電話で予約したお客様には、「次からはLINEやホームページからも予約できます」と伝えると、Webに移る方も出てきます。無理に移す必要はありません。電話で予約したいお客様には、これまで通り電話で受けます。

変更・キャンセルの電話の受け方

変更やキャンセルの電話も、受け方を決めておきます。予約の電話と同じく、最後に復唱します。

変更の電話では、まず今の予約を探します。お名前と電話番号を聞き、予約表で日時を読み上げて、どの予約かを確かめます。そのうえで新しい日時を聞き、空いていれば予約表を書き換えます。最後に新しい日時を復唱しましょう。

キャンセルの電話では、予約を確かめてから取り消し、キャンセルの理由を差し支えない範囲で聞きます。キャンセル料をいただく店は、そのことも伝えてください。キャンセルの決まりの作り方は、無断キャンセル対策の記事で説明しています。

店 :〔月〕月〔日〕日〔時刻〕からのご予約を、取り消しにいたしました。
   またのご予約をお待ちしております。

キャンセルの電話は、お客様にとってかけにくい電話です。「ご連絡ありがとうございます」と最初に伝えると、次も連絡をもらいやすくなります。予約の前日に確認の連絡を送れば、キャンセルの連絡も早めに届きやすくなるでしょう。文面の例は予約リマインドの例文にあります。

電話で聞いた個人情報の扱い

電話で聞いたお名前や電話番号は、個人情報です。個人情報保護法では、個人情報を取ったときは、利用目的をあらかじめ公表している場合を除き、本人に通知するか公表することとされています(法第21条)。取得の状況から利用目的が明らかな場合などは、通知や公表をしなくてよい例外もあります。

店でしておきたいのは、次の3つです。

  • 店のホームページや店内の掲示で、お客様の情報を何に使うか(予約の連絡、来店の記録、ご案内の送付など)を公表しておく
  • 予約の連絡以外(お知らせの配信など)に使うなら、その目的も公表する内容に入れておく
  • 電話のメモを紙に書いた場合は、予約表に入れた後、読めない状態にして捨てる

予約表や顧客の記録を、誰がどこで見られるかも決めておきましょう。考え方は、個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」にあります。自店のやり方で足りるか判断に迷うときは、専門家に相談してください。

電話受付のマニュアルを1枚にまとめる

ここまでの決まりを、受付の電話の横に置く1枚の紙にまとめます。厚いマニュアルより、電話を受けながら目で追える1枚の方が使われます。

欄書くこと
最初のひとこと「お電話ありがとうございます。〔店名〕の〔名前〕です」
聞く7項目名前・電話番号・初めてか・メニュー・日時・担当・伝えておきたいこと
復唱の順番日時(曜日つき)→ メニュー → 名前 → 電話番号
伝えること持ち物、キャンセルの期限と連絡先、駐車場など
施術中の決まり誰が出るか。出られないときの折り返しの決まり
困ったとき答えられない質問は「確認して折り返します」と伝え、誰に聞くかを書く

マニュアルは作って終わりにせず、月に一度くらい見直します。聞き漏れて困ったこと、よく聞かれる質問を、その都度書き足していくと、店に合った1枚になります。

Leporto で電話の予約を受けるには

Leporto は、予約・顧客・カルテ・売上と集客の分析を1つにまとめた予約管理システムです。電話で受けた予約も、WebやLINEから入った予約と同じ予約表に入れられます。予約が電話かWebかを記録して、件数を数えることもできます。

店舗の管理画面はスマホのブラウザでも使え、スタッフ用のアプリもあります。施術の合間に折り返しの電話をかけ、その場でスマホから予約を入れられます。下の画面は、整骨院のデモの予約表です。施術者ごとの列に、その日の予約と休憩が並びます(表示はデモデータ)。

Leporto の管理画面の予約確認(日表示)。2026 年 10 月 20 日の予約表で、施術者 3 人の列に、自費の骨格調整 40 分や初回カウンセリング、鍼オプションの予約がお客様の名前・時間とともに並び、初めてのお客様には「初」の印が付き、1 人の列に休憩の枠がある(デモデータ)

予約の確定とリマインドを、LINE のトークやメールで自動で送れます。WebやLINE で予約するお客様からの確認の電話を減らす助けになります。ホットペッパー(サロンボード)とも連携でき、予約が重なってダブルブッキングになることはありません。

一方で、電話の自動応答や電話代行の機能はありません。施術中の電話は、この記事の決まりのように留守番電話と折り返しで受けることになります。整骨院・鍼灸院の方に向けては、現時点では保険請求の機能はありません。必要な機能はご要望をお聞かせください。

院での使い方は整骨院向けのページで、LINE からの予約はLINE 連携の機能のページで紹介しています。今の予約の受け方(電話・紙・ほかのシステム)をうかがったうえで、Leporto でどう受けられるかを一緒に確かめます。デモのご希望や導入のご相談は、お問い合わせからお送りください。

参考にした公的機関の資料

いずれも2026年10月18日に参照しました。

よくある質問

電話予約で、最低限聞かなければいけない項目は何ですか?

お名前、電話番号、メニュー、日時の4つは欠かせません。初めてかどうか、担当の希望、伝えておきたいことの3つを足して、7項目にすると聞き漏れが減ります。再来のお客様なら、名前と電話番号で記録が見つかるので、初めてかどうかは聞かなくてかまいません。

1人で営業していて、施術中に電話が鳴ったらどうすればよいですか?

施術中は出ないと決め、留守番電話にして施術の合間に折り返すのが一つの方法です。施術中に電話に出ると、目の前のお客様を待たせることになります。留守番電話で折り返すことと、WebやLINE でも予約できることを伝えておくと、かけたお客様も待ちやすくなります。

電話の予約を紙にメモして、後で予約システムに入れてもよいですか?

おすすめしません。メモしてから入れるまでの間に、同じ枠へWebの予約が入ると二重予約になります。電話を切る前に予約表へ入れ、入れた画面を見ながら復唱する決まりにしましょう。スマホで入れられる予約システムなら、受付から離れていてもその場で入力できます。

電話で予約した方に、次からWeb予約をお願いしてもよいですか?

お願いしてかまいません。「次からはLINEやホームページからも予約できます」と、選べる形で伝えます。ただし、電話を続けたいお客様に無理に移ってもらう必要はありません。電話の予約を経路として記録しておくと、案内を始めてから電話がどれだけ減ったかを確かめられます。

整骨院で、電話で保険が使えるか聞かれたらどう答えますか?

保険が使えるかどうかは、来院してから施術者が症状を確かめて決めることなので、電話では言い切らないようにします。「来院の際に施術者が確認いたします」と伝え、当日の持ち物を案内します。取り扱いの決まりは、厚生労働省の案内と所属する団体の案内で確かめ、迷うときは専門家に相談してください。