予約台帳(予約管理表)の作り方:書く項目のテンプレートと、紙・Excelから移る目安
予約台帳(予約管理表)は、受けた予約を 1 か所に書き留める表です。日時・お客様の名前と連絡先・メニュー・担当・予約の状態の 5 つがあれば、紙のノートでも Excel でも始められます。店の全員が、同じ台帳に同じ書き方で書くようにしてください。予約が 2 か所に分かれたり、人によって書き方が違ったりすると、ダブルブッキング(同じ枠に予約を 2 つ入れること)や連絡漏れが起きます。この記事では、台帳に書く項目のテンプレート(表)、時間割型と一覧型の使い分け、紙と Excel での作り方、1 日の回し方、保管の注意、予約システムへ移る目安を順に説明します。
予約台帳・予約管理表・予約表の違い
予約台帳、予約管理表、予約表は、どれも「受けた予約を記録する表」を指す言葉で、店によって呼び方が違うだけです。この記事ではまとめて「予約台帳」と呼びます。よく似た言葉の「予約票」は、お客様に渡す予約の控え(予約したことを示す紙)のことで、店の中で使う台帳とは別のものです。
予約台帳とよく混ざるのが、顧客台帳(顧客カルテ)です。予約台帳は「いつ・誰が・何を予約したか」を日付の順に並べるもので、顧客台帳は「このお客様はどんな人か」をお客様ごとにまとめるものです。予約台帳にお客様の詳しい情報まで書き込むと、ページがすぐ埋まり、あとから探すのも大変になります。予約台帳には予約に必要なことだけを書き、髪の状態や施術の記録などは顧客台帳やカルテに分けましょう。顧客台帳に書く項目は、美容室の顧客管理:記録する項目と入力ルールで説明しています。
予約台帳に書く項目(テンプレート)
次の表が、サロンの予約台帳の基本の列です。「必ず」の列だけでも台帳として回ります。「あると便利」の列は、店の困りごとに合わせて足してください。
| 列 | 書く内容 | なぜ要るか | 優先 |
|---|---|---|---|
| 予約日・開始と終了の時刻 | 10/20 10:00〜11:30 のように、終わりの時刻まで書く | 終わりの時刻がないと、次の予約が重なっても気づけない | 必ず |
| お客様の名前(ふりがな) | 名字と名前、読み方 | 同じ名字の方を取り違えないため | 必ず |
| 電話番号 | 連絡がつく番号 | 遅刻や急な休みの連絡に使う。同じ名前の方の見分けにもなる | 必ず |
| メニュー | カット+カラーのように、組み合わせまで書く | 所要時間と準備するものが決まる | 必ず |
| 担当 | 担当するスタッフの名前。指名ありかどうか | 担当ごとの重なりを見つけるため | 必ず(スタッフが 2 人以上なら) |
| 状態 | 確定・仮・変更・キャンセル・無断キャンセル・来店済み | 消さずに状態を書けば、あとで数えられる | 必ず |
| 新規・再来 | 初めての方かどうか | 初めての方は説明やカウンセリングの時間を多めに取る | あると便利 |
| 予約の経路 | 電話・LINE・予約サイト・紹介・店頭など | どこから予約が来ているかを数えられる | あると便利 |
| 受けた日と受けた人 | 10/15 山本 のように | 聞き間違いがあったとき、誰に確かめればよいかわかる | あると便利 |
| 要望・注意 | 「前回より短め」「肌が弱い」など、予約に関わること | 準備と接客に使う。詳しい記録はカルテへ | あると便利 |
| 会計の金額 | その日の売上 | 1 日の売上の締めに使う | あると便利 |
| 次回の予約 | 次回の予約を取ったか、取った日時 | 次の来店につながったかを見られる | あると便利 |
状態の列は、予約台帳でいちばん省かれやすい列です。キャンセルになった予約を消してしまうと、無断キャンセルが何回あったか、どの曜日に多いかが、あとからわかりません。消さずに状態を書き換える、と決めておきましょう。無断キャンセルの記録の使い方は、サロンの無断キャンセル対策にまとめています。
業種で足す列
業種によって、予約のときに知っておきたいことが変わります。基本の列に、次の列を足すと使いやすくなります。
| 業種 | 足す列の例 | 理由 |
|---|---|---|
| 美容室 | カラー・パーマの有無、アシスタントが入るか | 放置時間のあいだに別の予約を入れられるかが決まる |
| ネイル | オフの有無(自店・他店)、本数やデザインの目安 | オフやデザインで所要時間が大きく変わる |
| まつげ | 本数、付け替えかリペアか | 所要時間と、用意する毛の量が決まる |
| エステ | 使う部屋・ベッド、コースの何回目か、回数券の残り | 部屋や機器の重なりと、コースの進み具合を見るため |
| 整体・整骨 | 初めてか継続か、使うベッド | 初回は問診の時間を取る。ベッドの数で受けられる人数が決まる |
エステの予約表テンプレートに足す列
エステでは、スタッフの空きに加えて、部屋(ベッド)と機器の空きも見なければいけません。スタッフが空いていても、脱毛の機器が別の部屋で使われていれば、その時間に脱毛の予約は受けられないためです。
エステの予約表をテンプレートから作るときは、基本の列に「部屋・ベッド」「使う機器」「コースの回数(例:6 回中 3 回目)」の 3 つを足します。時間割型の台帳なら、スタッフの列ではなく部屋の列で作るほうが、重なりに気づきやすくなります。コースや回数券を扱う店は、残りの回数も台帳に書いておきましょう。予約のたびにお客様と確かめられます。回数券そのものの管理は、回数券の管理をご覧ください。
無料で配られている予約表のテンプレートは、飲食店や会議室向けの「名前・人数・時間」だけのものが多く、そのままでは部屋や機器の列がありません。ダウンロードしたテンプレートを使う場合も、上の列が入っているかを確かめてから使い始めましょう。
時間割型と一覧型:予約台帳の 2 つの形
予約台帳の形は、大きく分けて 2 つあります。どちらがよいかは、何を見たいかで決まります。
| 形 | 見た目 | 向いていること | 向いていないこと |
|---|---|---|---|
| 時間割型(タイムテーブル) | 縦に時刻、横にスタッフや部屋を並べ、予約の時間を塗る | 空いている時間がひと目でわかる。重なりに気づきやすい | 電話番号や要望など、書ける量が少ない。あとで集計しにくい |
| 一覧型(リスト) | 1 行に 1 件の予約を書き、日付と時刻の順に並べる | 列を多く持てる。キャンセルの数や経路を数えやすい | 空き時間が見えにくい。重なりは自分で確かめる |
紙の台帳なら、1 日 1 ページの時間割型にして、余白に電話番号やメモを書く形が手軽です。Excel では一覧型で入力し、必要なときに日付で絞り込んで見るほうが、集計まで続けやすいでしょう。スタッフが 1 人の店なら、時間割型の 1 列で足ります。スタッフや部屋が増えるほど列が増え、紙では書ききれなくなっていきます。
紙の予約台帳の作り方と書き方の決まり
紙の台帳は、すぐに始められて、電話を受けながらでも書けるのがよいところです。そのぶん、書き方の決まりがないと、人によって書き方がばらばらになります。次の手順で作ります。
- 1 日 1 ページの用紙かノートを用意する。縦に営業時間を 15 分か 30 分ごとに区切り、横にスタッフ(エステなどは部屋)の列を作る
- ページの端に、電話番号・メニュー・状態を書く欄を取る
- 予約の時間は、開始から終了までを線や枠で囲む。終わりの時刻がわかるようにする
- 変更やキャンセルは消しゴムで消さず、二重線で消して状態を書く
- 予約を受けた人のイニシャルを、予約の横に書く
印(記号)は、店の全員で同じものを使います。たとえば次のように決め、台帳の表紙の裏に貼っておくと迷いません。
| 印の例 | 意味 |
|---|---|
| 初 | 初めてのお客様 |
| 指 | 指名あり |
| 仮 | 仮の予約(お客様の返事待ちなど) |
| ✕ | 連絡のあるキャンセル |
| 無 | 無断キャンセル |
| 済 | 来店済み・会計済み |
電話で予約を受けたときは、日時・メニュー・名前を最後に復唱してから書きます。曜日と日付を両方言うと、聞き間違いに気づきやすくなります。
Excel・Googleスプレッドシートで予約管理表を作る手順
Excel や Google スプレッドシートで予約管理表を作るときは、一覧型を基本にします。次の 4 つを決めておくと、入力する人が変わっても崩れにくくなります。
- 1 行に 1 件の予約を書く。上の表の列を 1 行目に並べ、予約ごとに 1 行を足します。日ごとにファイルやシートを分けると、あとで探すのも数えるのも大変になるため、1 つの表に書き続けます。
- 選べる列はプルダウンにする。担当・メニュー・状態・経路は、入力規則(データの入力規則)で選択肢から選ぶ形にします。「キャンセル」「キャンセル」「取消」のような書き方の揺れがなくなり、数えるときに困りません。
- 重なりを式で見つける。予約日・担当・開始・終了が別の列にあれば、COUNTIFS 関数で同じ担当の時間の重なりを数えられます。予約日が A 列、担当が B 列、開始が C 列、終了が D 列なら、2 行目に
=COUNTIFS(A:A,A2,B:B,B2,C:C,"<"&D2,D:D,">"&C2)>1と入れて下まで写すと、重なる予約に TRUE が出ます。キャンセルの行も数えてしまうので、状態の列で絞るか、キャンセルは別の印を付けて見分けます。 - 編集できる人を決める。共有のファイルにする場合は、編集できる人と見るだけの人を分けます。辞めたスタッフの共有は、その日のうちに外します。
Google フォームとつないで予約の受付まで自分で作る方法や、そのときの手間は、予約システムは自作できる?で詳しく説明しています。
Excel の台帳にも弱いところがあります。同じファイルを何人かで同時に開くと、上書きして入力が消えることがあります。また、お客様が自分で空きを見て予約することはできません。受付は、これまでどおり電話や LINE のメッセージが窓口のままです。
予約台帳を回す 1 日の流れ
台帳は、作るより続けるほうが難しいものです。書く時点を 1 日の流れに組み込んでおくと、書き忘れが減ります。

前日の確認は、台帳の書き間違いを見つける最後の機会です。あすの予約を 1 件ずつ見て、終わりの時刻と次の予約が重なっていないかを確かめ、お客様にリマインドを送ります。送る時点ごとの文面は、予約リマインドの例文にまとめています。
ホットペッパーなどの予約サイトと紙の台帳を併用している店は、特に注意が要ります。予約サイトに入った予約を台帳に書き写すまでの間に、電話で同じ枠を受けてしまうことがあるためです。予約サイトと自社の予約をどうまとめるかは、ホットペッパーと自社予約の併用で説明しています。
予約台帳の保管と個人情報
予約台帳には、お客様の名前と電話番号が並びます。個人情報保護法は、事業者に、扱う個人データの漏えいなどを防ぐための安全管理の措置を求めています(第23条)。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、その中身を組織的・人的・物理的・技術的な安全管理措置などに分けて示しています。出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
小さな店で台帳について決めておきたいことは、次のようなものです。
- 紙の台帳は、受付のカウンターに出しっぱなしにせず、閉店後は鍵のかかる場所にしまう
- 台帳を店の外に持ち出さない。写真に撮って私用のスマートフォンに残さない
- Excel のファイルは、パスワードのかかった端末か、編集できる人を絞った共有の場所に置く
- 使い終わった古い台帳は、店で決めた期間が過ぎたら、シュレッダーにかけるなど読めない状態にして捨てる
どこまでの措置が必要かは、店の規模や扱う情報によって変わります。判断に迷うときは、個人情報保護委員会の資料を確かめるか、専門家に相談してください。
台帳のままでよい店・予約システムへ移る目安
予約台帳で困っていなければ、無理に予約システムへ移る必要はありません。判断の目安として、次の 2 つの表を見比べてください。
| 台帳のままでも回りやすい店 | 予約システムへ移ると楽になりやすい店 |
|---|---|
| 予約を受けるのが 1 人だけで、受け方も電話か店頭だけ | 予約を受ける人が 2 人以上いる |
| 予約の入り口が 1 つ(電話だけなど) | 電話・LINE・予約サイトなど、入り口が 2 つ以上ある |
| 常連のお客様が中心で、予約の変更が少ない | 新しいお客様が多く、変更やキャンセルの連絡が多い |
| 台帳を見るのは店の中だけ | 外出先や自宅からも予約を確かめたい |
さらに、次の項目のうち、当てはまるものを数えてみてください。当てはまる項目が多いほど、予約システムに移ったときに減らせる手間が大きくなります。
- 同じ予約を、2 か所以上に書き写している(予約サイトから台帳へ、台帳から Excel へなど)
- この 3 か月に、ダブルブッキングや書き間違いが起きた
- 施術中に電話に出られず、あとで折り返すことが週に何度もある
- 営業時間外の予約の連絡に、翌日まで返事ができない
- 無断キャンセルが何回あったかを、台帳から数えられない
- お客様ごとの来店の回数や前回の来店日を、すぐに答えられない
- 台帳を見ないと、ほかのスタッフの空きがわからない
予約システムを選ぶ前に、無料のもので足りるかを考えたいときは、予約システムは無料で足りる?の規模別のチェックリストを、電話からネット予約へ切り替える手順はWeb予約の始め方を参考にしてください。
台帳から移るときに用意すること
予約システムに移るときは、台帳の中身をそのまま全部移す必要はありません。切り替える日より先の予約と、お客様の名前・連絡先を移せば、予約の受付は続けられます。過去の来店の記録をどこまで移すかは、使う予約システムで何ができるかを確かめてから決めます。切り替えの前後しばらくは、台帳と予約システムの両方に予約が入らないよう、「この日からの予約は新しいほうだけに書く」と日にちを決めておきましょう。
Leporto の予約表で見ると
Leporto は、予約・顧客・カルテ・売上と集客の分析を 1 つにまとめた、経営改善型の予約管理システムです。予約は日・週・月の表示で見られ、日の表示は、縦に時刻、横にスタッフを並べた時間割型の予約表になります。次の画面はデモのエステサロンの 1 日で、予約ごとにお客様の名前・メニュー・時間が並び、初めてのお客様には「初」の印が付きます(表示はデモデータ)。

店舗の管理画面はスマートフォンのブラウザでも使えるので、外出先からも同じ予約表を見られます。

台帳で手作業になっていたことのうち、次のことが予約表と一緒に記録されます。
- お客様は、店舗の予約サイトから 24 時間ネット予約でき、LINE の中からも予約できる
- ホットペッパー(サロンボード)の予約も一緒に管理でき、ダブルブッキングにならない
- 予約を電話・Web の別に記録して、件数を数えられる
- 無断キャンセルと当日キャンセルを分けて記録・集計できる
- エステや整体では、ベッドや機器を設備として登録し、設備の数で同じ時間帯に受けられる予約の数を制限できる
- Leporto の POS(会計)を使う場合、予約と会計の記録がつながる
ほかのサービスから乗り換えるときは、過去の来店記録(予約・カルテ・写真)、これから先の予約、回数券の残りまで、基本的に取り込めます。紙の台帳やカルテは、PDF などのデータにしていただければ取り込みの相談ができます。紙のままお預かりして入力する作業は行っておらず、手書きの字が読めないものは入力できません。移し方の流れは乗り換え・データ移行のページで紹介しています。1 人で営む店での使い方は、個人サロン向けのページをご覧ください。
今の台帳の形(紙・Excel・予約サイトとの併用)をうかがったうえで、Leporto でどう予約をまとめられるかを一緒に確かめます。デモのご希望や導入のご相談は、お問い合わせからお送りください。
参考にした公的機関の資料
いずれも2026年10月18日に参照しました。
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
- e-Gov 法令検索「個人情報の保護に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057
よくある質問
予約台帳は、紙と Excel のどちらがよいですか?
電話を受けながらすぐ書きたいなら紙、キャンセルの数や予約の経路を数えたいなら Excel が向いています。紙で受けて、1 日の終わりに Excel へ書き写す店もありますが、書き写す手間と写し間違いが増えます。どちらか 1 つを「正」と決め、もう一方は控えとして使うと混乱しません。
予約台帳はどのくらいの期間、取っておけばよいですか?
予約台帳だけの保存期間を定めた一律の決まりは、この記事で確かめた資料の中にはありませんでした。個人情報は、使う必要がなくなったら遅滞なく消すよう努めることが求められています。店で「何年分を残す」と期間を決め、過ぎたら読めない状態にして捨ててください。会計や税務の書類として残す必要があるかは、税理士などの専門家に確かめてください。
キャンセルになった予約は、台帳から消してもよいですか?
消さずに、二重線などで残して状態を書くことをおすすめします。消してしまうと、無断キャンセルが何回あったか、どの曜日や時間帯に多いかが、あとからわかりません。キャンセル待ちのお客様に連絡するときにも、空いた枠がすぐわかります。
エステの予約表テンプレートは、無料のものをそのまま使えますか?
使えるものもありますが、飲食店や会議室向けのテンプレートは、部屋・ベッド・機器の列がないことが多いです。エステでは、スタッフに加えて部屋と機器の重なりを見る必要があるため、この記事の「エステの予約表テンプレートに足す列」を足してから使ってください。
予約台帳から予約システムに移ると、紙の台帳は要らなくなりますか?
予約の受付と記録を予約システムだけにすれば、紙の台帳は要らなくなります。ただし、切り替えてしばらくは、古い台帳の予約を見返すことがあります。切り替える日を決めて、その日より先の予約は予約システムだけに書き、古い台帳は保管の期間を決めて片づけましょう。
