ホットペッパーと自社予約の併用:再来を自社予約へ移す方法

ホットペッパービューティー(以下、HPB)と自社予約を併用するときは、まず予約台帳を1つに決めることが出発点です。そのうえで、新規客は HPB で集め、2回目以降の予約は店頭での次回予約や LINE などの自社予約で受ける形にすると、ネット予約に応じた費用を抑えながら再来を管理できます。二重予約は、どの経路の予約も必ず同じ台帳に入る流れを作れば防げます。
この記事では、併用で起きやすい問題、予約を一元管理する3つの形、経路ごとの予約の流れ、自社予約へ案内するときの決まりを順に説明します。最後に、サロンボード(SALON BOARD)と連携する予約システムを選ぶときのチェックリストを載せています。HPB の規約や料金の細かい条件は、契約の内容によって違うため、契約内容と約款を窓口で確かめるよう書いています。
ホットペッパーと自社予約を併用するときの基本の形
併用の目的は、HPB の「店を知らない人に見つけてもらえる」強みを使いながら、再来の予約を自店の経路で受けることです。HPB のネット予約を通じた予約には、掲載料とは別に予約に応じた費用がかかると多くの解説記事が説明しています。具体的な条件は、契約内容を窓口で確かめてください。再来客が毎回 HPB から予約すると、その費用が続き、サロンの予約の多くを HPB に依存する形になります。費用の仕組みはホットペッパーの掲載料と手数料の仕組みで詳しく説明しています。
併用の基本の形は、次の3つに分けられます。
| 決めること | 基本の形 |
|---|---|
| 予約台帳 | すべての経路の予約を1つの台帳に入れる(サロンボードか、連携する予約システムのどちらか) |
| 新規客の入り口 | HPB、Google マップ、Instagram、ホームページなど |
| 再来客の予約 | 会計時の次回予約、LINE、自社のウェブ予約、電話 |
次の図は、上の表の新規客の入り口と再来客の予約を、1 つの台帳にまとめる形を表したものです。

台帳は、予約の経路を増やす前に決めておきます。台帳が2つあると、片方に入った予約がもう片方に反映されず、同じ時間に2人の予約が入ってしまいます。
併用で起きやすい問題
HPB と自社予約を併用すると、予約の入り口が増えます。入り口が増えること自体は悪くありませんが、管理のしかたを決めないまま始めると、次のような問題が起きます。
| 問題 | 起きる理由 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 二重予約 | HPB の枠と自社予約の枠を別々に管理している | 台帳を1つにし、どの予約も先に台帳へ入れる |
| 空き枠の食い違い | 電話や店頭で受けた予約を、HPB 側の枠に反映し忘れる | 電話・店頭の予約もその場で台帳に入れる決まりにする |
| 来店のきっかけが分からない | 予約の経路と、店を知ったきっかけを区別していない | 初回に来店のきっかけを聞いて記録する |
| 顧客情報が分かれる | HPB の顧客と自社予約の顧客を別々に登録している | 同じ人を1つの顧客として扱う(名寄せ) |
| 再来の費用が減らない | 再来客も HPB から予約し続けている | 会計時の次回予約と、自社予約の案内を習慣にする |
このうち、店の信用にいちばん響くのは二重予約です。お客様が来店してから予約が重なっていたと分かると、どちらかに待ってもらうか、日を改めてもらうことになります。次の節からは、二重予約を起こさない仕組みを先に説明します。
予約を一元管理する3つの形
HPB と自社予約をまとめる方法は、大きく3つあります。どれを選ぶかは、自社予約をどこまで使うか、顧客管理や分析をどのシステムで行いたいかで決まります。
| 形 | 台帳 | 向いている店 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| A:サロンボードを台帳にする | サロンボード | 自社予約は電話と店頭の次回予約が中心の店 | LINE や自社ウェブ予約の予約も、サロンボードへ入れる手間がかかる |
| B:サロンボードと連携する予約システムを台帳にする | 連携する予約システム | LINE や自社ウェブ予約も使い、顧客管理や分析をまとめたい店 | ダブルブッキングにならないかをシステムごとに確かめる |
| C:2つの台帳を手作業で合わせる | HPB 側と自社側の両方 | 予約がごく少ない店の一時的な運用 | 入力漏れが二重予約に直結する。長く続けるのは勧めにくい |
A:サロンボードを台帳にする
サロンボードは、HPB に掲載している店が無料で使える予約・顧客管理のシステムです。App Store の公式アプリの説明では、電話・飛び込み・自社ホームページ・ネット予約のすべての予約を一元管理できると案内されています。HPB のネット予約はサロンボードに反映されるので、電話や店頭の予約もサロンボードに入れれば、台帳は1つにまとまります。
ただし、サロンボードは HPB への掲載が前提です。サロンボードのよくある質問では、サロンボードだけを使うことはできないと案内されています。将来 HPB の掲載をやめる可能性があるなら、顧客情報や来店履歴をどう引き継ぐかも考えておく必要があります。
B:サロンボードと連携する予約システムを台帳にする
LINE や自社のウェブ予約を本格的に使う店は、サロンボードと予約を連携できる予約システムを台帳にする形が候補になります。この形では、HPB に入った予約が予約システム側に取り込まれ、予約システム側で埋まった枠が HPB 側でも埋まる、という双方向の連携が前提です。
連携のしかたはシステムによって違います。導入前には、後で紹介するチェックリストで、ダブルブッキングにならないかを必ず確かめてください。
C:2つの台帳を手作業で合わせる
HPB に予約が入るたびに自社の台帳へ書き写し、自社で受けた予約は HPB 側の枠を手で埋める方法です。費用はかかりませんが、忙しい時間帯ほど入力が遅れ、その間に重なった予約が入ります。予約が増えてきたら、A か B に移るのが安全です。
二重予約を防ぐ予約の流れ
台帳を決めたら、経路ごとに「誰が、いつ、どこに入れるか」を決めます。決まりは短く書いて、受付に貼っておくと、スタッフが入れ替わっても同じ運用を続けられます。
| 予約の経路 | 台帳に入るまでの流れ | 決まりの例 |
|---|---|---|
| HPB のネット予約 | サロンボードに反映される。形 B では予約システムへ取り込まれる | 取り込まれた予約の担当者とメニューを、開店前に確かめる |
| 自社のウェブ予約・LINE からの予約 | 予約システムに入る。形 A ではサロンボードへ手で入れる | 形 A では、受けた人がその場でサロンボードに入れる |
| 電話 | 受けた人が台帳に入れる | 電話を切る前に台帳に入れ、日時を読み上げて確かめる |
| 店頭での次回予約 | 会計した人が台帳に入れる | お客様が店を出る前に入れ終える |
| スタッフの休み・研修 | 台帳に予定として入れる | 決まった日に、HPB 側の枠も閉じる |
反映を待つ間に予約が重ならないようにする
形 B では、連携する予約システムがサロンボードの予約と同期し、ダブルブッキングを防ぎます。導入前に、HPB で入った予約が自店の台帳に入ることと、自店で受けた予約で HPB の枠が埋まることを確かめてください。
HPB に出す枠を絞る
すべての空き枠を HPB に出す必要はありません。再来客の予約を優先したい時間帯は、HPB のネット予約の受け付け枠を少なくしておく方法もあります。受け付け枠をどこまで細かく設定できるかは、サロンボードの画面や営業担当で確かめてください。
重なったときの対応を先に決める
決まりを作っても、入力の遅れで予約が重なることはあります。重なったときに誰が連絡するか、どちらのお客様を優先するかを、先に決めておくと慌てずにすみます。連絡は早いほど、お客様の予定を変えてもらいやすくなります。
新規と再来、どの経路で受けるかの運用ルール
併用の効果は、再来客の予約がどこから入るかで決まります。次の表は、お客様の種類ごとに、受ける経路と案内のしかたを整理したものです。
| お客様 | 受ける経路 | 店からの案内 |
|---|---|---|
| 初めての方(HPB を見て来た) | HPB のネット予約 | HPB 上では自社予約へ誘導しない |
| 初めての方(Google マップ・Instagram などを見て来た) | 自社のウェブ予約、LINE、電話 | ホームページや SNS のプロフィールに自社予約の入り口を置く |
| 2回目以降の方 | 会計時の次回予約、LINE、自社のウェブ予約 | 会計のときに次回予約を勧め、決まらなければ LINE の登録を案内する |
| 2回目以降も HPB から予約する方 | HPB のネット予約 | 無理に変えてもらわない。お客様が選んだ経路を尊重する |
いちばん効くのは、会計のときにその場で次回予約を取ることです。次回の予約が台帳に入れば、HPB を通らず、お客様があとで予約し直す手間もありません。具体的な言い方は会計時に次回予約を取る声かけにまとめています。
次回予約が決まらなかったリピーターの方には、LINE や自社のウェブ予約の入り口を案内します。LINE で予約を受ける方法はLINE で予約を受ける方法で、自社のウェブ予約の受付の設定はWeb予約システムの始め方で説明しています。
自社予約への案内:店頭でしてよいことと、HPB 上で避けること
再来客を自社予約へ移すときに注意したいのが、HPB の規約です。HPB の利用約款には、掲載ページの上でほかの予約方法へ案内することなどについて決まりがあると、多くの解説記事が説明しています。プランによって決まりが違う場合もあるため、契約内容と約款を窓口で確かめてください。
この記事では、案内を次の2つに分けて考えることを勧めます。
| 場面 | 考え方 |
|---|---|
| HPB の掲載ページ、クーポン、ブログ、メッセージ | ほかの予約方法へ誘導する文やリンクを載せない |
| 来店したお客様への店頭での案内 | 次回予約や LINE の案内をする。ただし、どこまで認められるかは約款と契約で確かめる |
| HPB で予約したお客様の予約の扱い | HPB で入った予約を、電話や自社予約に取り直してもらわない |
3つ目は見落としやすい点です。HPB で入った予約をキャンセルしてもらい、同じ日時で自社予約に入れ直すと、予約サイトの費用を避けるための操作と受け取られるおそれがあります。自社予約へ移すのは、次の来店からと考えてください。
規約の解釈に迷う場合は、HPB の営業担当に書面で確かめるのが確実です。契約や規約の判断に不安があるときは、弁護士などの専門家にも相談してください。
店頭での案内の例
会計のときの案内は、お客様にとっての便利さを中心に伝えると自然です。
- 「次回のご予約を、今お取りしておきましょうか。」
- 「日にちが決まっていなければ、店の LINE からいつでもご予約いただけます。」
- 「LINE にご登録いただくと、前日にご予約の確認をお送りします。」
3つ目のように、予約の確認やリマインドが届くことを伝えると、登録の理由が分かりやすくなります。割引で自社予約へ移す方法もありますが、HPB のクーポンとの関係や約款との関係を、窓口で確かめてから決めてください。
サロンボードと連携する予約システムを選ぶチェックリスト
形 B を選ぶときは、「サロンボード連携」と書かれていても、中身はシステムごとに違います。導入の前に、次の項目を一つずつ確かめてください。
| 確かめること | 聞き方の例 | なぜ大切か |
|---|---|---|
| 予約の反映の向き | HPB の予約は取り込まれますか。こちらで埋まった枠は HPB 側でも埋まりますか | 片方向だけだと、二重予約が残る |
| ダブルブッキング | HPB と自店の予約が重ならないように同期されますか | 同じ枠に2件の予約が入る |
| 変更・キャンセルの反映 | HPB で日時変更やキャンセルがあったとき、こちらにも反映されますか | 新規の予約だけでなく、変更も重なりの原因になる |
| 連携の仕組みと止まったとき | 連携が止まったとき、どう知らせてくれますか | 止まったことに気づかないと、二重予約が続く |
| 担当者とメニューの対応 | HPB のメニューやスタッフと、こちらの設定をどう対応させますか | 担当者やメニューがずれると、時間の計算がずれる |
| 顧客情報の名寄せ | HPB で予約した方と、自社予約の同じ方を1人として扱えますか | 来店回数や再来率が正しく出ない |
| 来店のきっかけの記録 | 予約の経路と、店を知ったきっかけを別々に記録できますか | 併用の効果を数字で確かめるため |
| 料金 | 連携に追加の費用はかかりますか | 月額の総額で比べるため |
| データの持ち出し | 解約するとき、顧客と予約のデータを受け取れますか | 乗り換えのときに困らないため |
デモや無料の期間がある場合は、実際に HPB の予約を1件入れて、もう片方に反映されるまでの時間を自分で測ると確実です。予約システム全体の選び方は予約システムの選び方で説明しています。
併用がうまくいっているかを確かめる数字
併用を始めたら、3か月ごとに次の数字を見ると、再来の予約が自社の経路に移っているかが分かります。
| 見る数字 | 計算のしかた | 見方 |
|---|---|---|
| 再来の予約のうち HPB 経由の割合 | HPB 経由の再来の予約数 ÷ 再来の予約数 | 下がっていれば、自社予約へ移っている |
| 次回予約率 | 会計時に次回予約を取った件数 ÷ 会計の件数 | 上がるほど、HPB を通らない再来が増える |
| 二重予約の件数 | 月ごとに記録する | 0 件が続いているか |
| HPB から来た新規客の再来率 | HPB が来店のきっかけの新規客のうち、再来した人の割合 | 低い場合は、自社予約より先に接客や次回予約を見直す |
経路ごとの効果をまとめて測る方法は、サロンの集客効果を測る方法で、表のひな形と計算例をつけて説明しています。HPB 以外の集客の経路も含めた広告費の決め方は、美容室の集客方法をご覧ください。
Leporto でできること
Leporto は、経営改善型の予約管理システムです。ホットペッパー(サロンボード)の予約と、自社の予約・LINE・電話の予約を一元管理できます。サロンボードの予約は適宜同期されるので、ダブルブッキングになりません。詳しくはホットペッパー連携の機能のページで紹介しています。
LINE 連携では、予約の確定とリマインドを LINE のトークに自動で送れます。自動で送る手段は LINE とメールです。管理画面の「アナリティクス」では、来店のきっかけ別に新規客数と再来率を見られるため、HPB から来た新規客がどれだけ再来しているかも毎月確かめられます。
よくある質問
ホットペッパーと自社予約は、併用してもよいのですか?
HPB に掲載しながら、電話や自社予約で予約を受けることはできます。サロンボードの公式アプリの説明でも、自社ホームページや電話の予約を一元管理できると案内されています。注意したいのは、HPB の掲載ページ上でほかの予約方法へ誘導しないことと、HPB で入った予約を自社予約に取り直してもらわないことです。どこまでの案内が認められるかは、約款と契約の内容を窓口で確かめてください。
二重予約を防ぐには、何から始めればよいですか?
最初に、予約台帳を1つに決めます。そのうえで、電話や店頭の予約も、受けたその場で台帳に入れる決まりを作ります。台帳を2つ使う場合は、予約を受けたら、もう片方の枠も埋まったかを確かめる手順を加えてください。
サロンボードだけで、自社予約もまとめられますか?
サロンボードの公式アプリの説明では、電話・飛び込み・自社ホームページ・ネット予約の予約を一元管理できると案内されています。電話と店頭の次回予約が中心なら、サロンボードを台帳にする形で足ります。LINE からの予約も多い店は、連携する予約システムを台帳にする形も比べてみてください。
再来客がホットペッパーから予約してくるのは、断るべきですか?
断る必要はありません。お客様が選んだ経路で受けてください。会計のときに次回予約を勧めたり、LINE の登録を案内したりして、次からの予約を自社の経路で受けやすくするのが現実的です。
