サロンのWeb予約(ネット予約)の始め方:Web予約システムの受付の設定と、電話予約からの切り替え

受付で受話器が置かれたままの電話と、予約の枠が埋まったタブレット。奥で店主が施術に集中している

サロンでのWeb予約の始め方の基本は、電話をすぐにやめず、電話とWebの役割を分けてから切り替えることです。Web予約システム(オンライン予約システム)を選んだら、メニューの所要時間、施術の間の準備時間、受け付ける期間、キャンセルの締め切りを先に決め、テスト予約をしてから公開します。公開したあとは、電話とWebの予約の件数を週ごとに数えると、電話がどれだけ減ったかを確かめられます。この記事では、設定のチェックリスト、役割の分け方の表、切り替えの手順、数え方の表をまとめました。

Web予約(ネット予約)の仕組みと、電話予約との違い

Web予約とは、お客様がスマートフォンやパソコンで空いている日時を見て、自分で予約を入れる仕組みです。ネット予約、オンライン予約とも呼ばれ、仕組みとしてはどれも同じものを指します。店の側では、予約システムが用意する予約ページを、ホームページや LINE などに置いて使うのが一般的です。

電話予約との大きな違いは、店が電話に出なくても予約が決まることです。営業時間外や施術中でも予約を受けられ、入力された内容がそのまま予約表に残るのも利点です。聞き間違いや書き写しの間違いも起きにくくなります。

一方で、店が決めた受付の条件どおりに予約が入るため、設定が甘いと困ったことが起きます。たとえば、所要時間を短く設定していると、次の予約が詰まりすぎてしまいます。Web予約を始める準備の中心は、この受付の条件を決めることです。予約システムそのものの選び方は予約システムの選び方で、費用をかけずに始める方法は無料の予約システムの選び方で詳しく扱っています。

始める前に決めること:電話とWebの役割の分け方

電話予約を減らしたいからといって、電話をなくす必要はありません。ネットの操作に慣れていないお客様や、相談しながら決めたいお客様には、電話が合っています。先に決めておきたいのは、どの用件を電話で受け、どの用件をWebへ案内するかです。次の表は、役割の分け方の一例です。

用件主に受ける手段理由
ふだんの予約(再来のお客様)Webメニューと担当が決まっていて、自分で選びやすい
初めてのお客様の予約Web(相談したい方は電話)空きを見て決めたい方が多い。迷う方には電話が早い
空き状況の確認Web電話で聞かれる用件のうち、Webで答えられるもの
予約の変更・締め切り前のキャンセルWeb電話でしか変えられないと、変更の電話が残る
締め切り後のキャンセル・当日の遅刻電話枠の扱いを店がその場で判断する必要がある
メニューの相談・初めての施術の相談電話または LINE のチャット髪や肌の状態を聞いてから決める必要がある
時間の長い施術・複数のメニューの組み合わせ電話(慣れるまで)所要時間の設定が整うまでは、店が枠を確かめる
ネットの操作に慣れていないお客様電話無理に移すと、予約そのものをやめてしまうおそれがある

この表の分け方は、店の客層やメニューによって変えてかまいません。決めた分け方は、スタッフ全員で同じように案内できるよう、紙に書いて受付に置いておくと迷いません。これから開業する店は、この分け方を開店の前に決めておくと、最初のお客様から同じ形で予約を受けられます。

Web予約システムの受付の設定チェックリスト

予約システムの種類が違っても、決めておく項目はおおむね共通です。次の表で、公開する前に決める項目を確かめてください。表の「例」は考え方を示すためのもので、どの店にも合う値ではありません。

項目決めること例
メニューと所要時間メニューごとの施術の時間カット 60 分、カット+カラー 120 分
施術の間の準備時間片付け・席の準備に使う時間各予約のあとに 15 分
何日先まで受け付けるか予約を入れられる最も先の日2 か月先まで
何時間前まで受け付けるか当日や直前の予約の締め切り前日の 20 時まで
変更・キャンセルの締め切りWebで変更・キャンセルできる期限来店の前日 18 時まで
指名指名を受けるか、指名料の有無指名あり・なしを選べる
入力してもらう項目名前・連絡先・要望など名前、電話番号、メールまたは LINE
確認とリマインド予約直後と前日の連絡予約直後の確認と前日のリマインド
テスト予約スタッフが客として予約してみる新規・変更・キャンセルを 1 回ずつ

メニューと所要時間

所要時間は、実際の施術の時間に合わせて設定します。長さや毛量で時間が変わるメニューは、長めの時間で設定するか、「ロング」などで分けておくと詰まりにくくなります。説明が足りないと「どれを選べばよいか」という確認の電話が増えるため、メニューの説明と料金も予約ページに書いておきましょう。

施術の間の準備時間

施術が終わってから次のお客様を迎えるまでには、片付けや席の準備の時間が要ります。予約システムによっては、この時間を予約のあとに自動で空けておく設定があります。設定がない場合は、メニューの所要時間に準備の分を足しておけば同じ効果になります。

受け付ける期間:何日先まで・何時間前まで

あまり先まで受け付けると、予定が変わってキャンセルになる予約が増えることがあります。シフトが決まっている期間に合わせて、受け付ける先の日を決めるのが無難です。直前の予約は、準備が間に合う時刻を締め切りにします。当日の予約を受けたい店は、当日だけ電話で受ける形にする方法もあります。

変更・キャンセルの締め切り

締め切りまではWebで変更・キャンセルでき、締め切り後は電話で連絡してもらう形にすると、役割の表と合います。締め切りやキャンセル料の決まりは、予約ページにはっきり書き、予約の前に同意してもらいます。キャンセルポリシーの文例やキャンセル料の考え方は、無断キャンセルの対策の記事で詳しく説明しています。

指名とスタッフの枠

指名を受ける場合は、スタッフごとの出勤日と時間を予約システムに入れておく必要があります。シフトの入力が遅れると、休みの日に予約が入ってしまいます。指名なしの予約を誰に割り当てるかも、先に決めておくと当日に迷いません。

予約のときに入力してもらう項目

入力の項目が多いと、途中で予約をやめてしまうお客様が出やすくなります。名前と連絡先のほかは、施術に本当に必要な項目だけに絞るのが無難です。アレルギーや髪・肌の状態など詳しく聞きたいことは、予約とは別に、来店前の問診で聞く方法もあります。連絡先は、確認やリマインドを送る手段(メールや LINE)に合わせて必須にしておきます。

テスト予約と公開

公開する前に、スタッフがお客様の立場でスマートフォンから予約してみます。新規の予約、日時の変更、キャンセルを 1 回ずつ試し、確認の連絡が届くかも確かめます。所要時間や準備時間が予約表で思ったとおりに空いているかも、このときに見ておくと安心です。問題がなければ予約ページを公開し、入り口に予約のリンクを置きます。

電話予約からの切り替えの手順

切り替えは、次の 4 つの段階で進めると、お客様もスタッフも戸惑いにくくなります。

  1. 準備:上のチェックリストを決めて設定し、テスト予約をします。電話で受けた予約は、受けたらすぐ予約システムに入力する決まりも作ります。入力が遅れると、その間に同じ枠へWebの予約が入るおそれがあるためです。
  2. 入り口を置く:予約ページへのリンクを、お客様が目にする場所に置きます。置き場所は下の表を参考にしてください。
  3. お客様に案内する:会計のときに「次回からはWebでも予約できます」と伝え、予約の確認の連絡にも予約ページのリンクを入れます。電話で予約したいお客様には、これまでどおり電話で受けます。
  4. 見直す:数週間ごとに、次の章の方法で電話とWebの件数を数え、設定や案内を直します。

次の図は、この4つの段階の流れを示したものです。

電話予約からWeb予約へ切り替える4つの段階の図。1 準備:受付の設定とテスト予約をし、電話で受けた予約はすぐ予約システムに入力する決まりを作る、2 入り口を置く:LINE・ホームページ・Google・SNSなどに予約ページへのリンクを置く、3 お客様に案内する:会計のときに伝え、予約の確認の連絡にもリンクを入れる、4 見直す:数週間ごとに電話とWebの件数を数え、設定や案内を直す。
入り口置き場所主に見る人
LINE 公式アカウントリッチメニューの「予約する」ボタン友だち追加している再来のお客様
ホームページ各ページの上部やメニューの横の予約ボタン店を調べている初めての方
Google ビジネスプロフィールプロフィールの予約のリンク地図や検索で店を見つけた方
Instagram などの SNSプロフィールのリンク写真を見て興味を持った方

LINE からの予約の受け方とリッチメニューの作り方は、LINEで予約を受ける方法にまとめています。Google ビジネスプロフィールは、プロフィールから予約を受けられることを Google が案内しています。ホットペッパービューティーにも掲載している店は、予約の記録を 1 か所にまとめないと二重予約が起きかねません。その場合はホットペッパーと自社予約の併用の記事を先に読んでください。

電話がどれだけ減ったかを測る方法

Web予約を始めた効果は、「電話が減った気がする」ではなく件数で確かめます。いちばん簡単なのは、予約が入った手段を週ごとに数えることです。予約システムに予約の経路を記録できる場合は、電話で受けた予約に「電話」と付けておきます。記録できない場合は、受付に紙を置いて、電話の予約を受けるたびに印を付けるだけでもかまいません。

週電話の予約Webの予約Webの割合変更・キャンセルの電話
切り替え前の週
公開 1 週目
公開 2 週目
公開 3 週目

Webの割合は、Webの予約の件数を、電話とWebの予約の合計で割って出します。変更・キャンセルの電話も別に数えると、締め切りの設定や予約ページの説明が足りているかが分かります。比べる基準にするため、公開する前の 2〜4 週間も同じ表で数えておくと確かです。

週によって予約の総数は変わるため、件数だけでなく割合も見ます。Webの割合が増えないときは、入り口が見つけにくい、メニューの説明が足りない、変更が電話でしかできない、といった原因を順に確かめます。Google ビジネスプロフィールには、電話や予約などの分析の情報を見られる機能もあるので、あわせて見ると入り口ごとの様子をつかむ助けになるでしょう。予約の経路を媒体ごとに記録し、再来まで追いたい場合は、媒体別に予約と再来を数える方法を参考にしてください。

Web予約を始めたあとに気をつけること

予約が手軽になると、気軽なキャンセルや無断キャンセルが起きることもあります。予約の直後に確認の連絡を送り、前日にはリマインドを送ると、予約を忘れていた方の来店につながります。送る時点や文面の例文は、予約のリマインドの送り方にまとめました。

もう 1 つは、受付の設定を一度決めて終わりにしないことです。所要時間が実際より短いと施術が押し、長いと空き時間が増えます。予約表を見て詰まりすぎや空きすぎが続くメニューがあれば、その都度直します。

Leporto でWeb予約を受けるには

Leporto は、予約・顧客・カルテ・売上と集客の分析を 1 つにまとめた、サロン向けの予約管理システムです。予約の確定とリマインドは、LINE のトークやメールで自動で送れます(SMS には対応していません)。ホットペッパー(サロンボード)の予約も Leporto の予約と一緒に管理でき、ダブルブッキングになりません。来店前に Web で問診(カウンセリングシート)を入力してもらうことや、予約のときの事前決済もできます。予約は電話と Web の別に記録して件数を数えられるので、上の「電話がどれだけ減ったか」もそのまま確かめられます。初期費用は、自分で設定すれば無料、設定の代行を頼む場合は 1 店舗 30,000 円(税抜)です。予約受付の機能は、予約受付の機能のページで紹介しています。

よくある質問

Web予約を始めたら、電話予約はやめたほうがよいですか?

すぐにやめる必要はありません。ネットの操作に慣れていないお客様や相談したいお客様のために電話を残し、ふだんの予約をWebへ案内する形から始めるのが無難です。件数を数えてWebの割合が十分に増えてから、電話で受ける用件を絞るかどうかを決めます。

Web予約システムとオンライン予約システムは違うものですか?

呼び方の違いで、どちらもお客様がネットで予約を入れる仕組みを指します。ネット予約システムと呼ばれることもあります。選ぶときは、所要時間や準備時間、締め切りなどの受付の設定が店に合うかで比べてください。

電話で受けた予約とWebの予約が重ならないようにするには?

電話で受けた予約を、受けたその場で予約システムに入力する決まりにします。後でまとめて入力すると、その間に同じ枠へWebの予約が入るおそれがあります。紙の予約帳と予約システムを両方使い続けるのも、重なりの原因になるので避けましょう。

Web予約の受付は、何日先まで開ければよいですか?

決まった正解はありませんが、スタッフのシフトが決まっている期間に合わせるのが無難です。シフトが決まっていない日まで開けると、休みの日に予約が入ることがあります。再来のお客様が次の予約を先に入れたい場合に備えて、少し長めにする店もあります。